S. Ohashi
{"title":"含K99抗原的牛产肠毒素大肠杆菌的研究。","authors":"S. Ohashi","doi":"10.4190/JJVC1990.17.65","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"K99抗原を含有する牛大腸菌不活化ワクチン(米国、SBAH社)及びシード株を入手し、シード株の各種性状、K99抗体価測定法の検討及び感染防御試験を行った.また、併せて全国的な疫学調査を実施した.シード株のプラスミド解析を行ったところ、本株は4種の安定なプラスミドを保有し、K99線毛抗原産生と耐熱性毒素(STa)産生の遺伝形質は、67Mdのプラスミドによって発現されることが明らかにされた.血清型はO101、K99、F41で、本株は、国内で分離される主要な腸管毒素原性大腸菌(ETEC)と同じ抗原構造をもち、ワクチン株として日本においても好適と考えられた.ワクチン効果判定のためのK99抗体価測定法として受身血球凝集反応(PHA法)を確立し、従来用いられている菌体凝集反応と比較した.両者間には高い相関(r=0.879)が認められ、またPHA法は幾何平均で2.5倍高い値を示した.PHA法は菌体凝集反応に比べ安定、簡便で感度が良く、有用なK99抗体価測定法と考えられた.感染防御試験では、ワクチン接種母牛由来の子牛をワクチン群、非接種母牛からの子牛を対照群とし、ETECで攻撃し、その防御能を検討した.攻撃後ワクチン群は全頭耐過生存した.一方、対照群は水様性下痢から全頭死亡し、本ワクチンのK99移行抗体を介する新生子牛への感染防御能の付与が確認された.疫学調査では、1道20県から30日齢以下の下痢子牛270頭の直腸スワブを集め大腸菌を分離したところ、33頭(12.2%)由来の株がETECと同定された.これらETEC検出子牛33頭中29頭(87.9%)は5日齢以下で水様便を呈していた.ETECの検出率及び検出状況は諸外国の報告とほぼ同様であり、わが国においてもETECが新生子牛の下痢に強く関与していることが明らかにされた。","PeriodicalId":293284,"journal":{"name":"The Tohoku Journal Veterinary Clinics","volume":"29 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"1900-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"2","resultStr":"{\"title\":\"Studies of the Bovine Enterotoxigenic Escherichia coli Bacterins Containing K99 Antigen.\",\"authors\":\"S. Ohashi\",\"doi\":\"10.4190/JJVC1990.17.65\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"K99抗原を含有する牛大腸菌不活化ワクチン(米国、SBAH社)及びシード株を入手し、シード株の各種性状、K99抗体価測定法の検討及び感染防御試験を行った.また、併せて全国的な疫学調査を実施した.シード株のプラスミド解析を行ったところ、本株は4種の安定なプラスミドを保有し、K99線毛抗原産生と耐熱性毒素(STa)産生の遺伝形質は、67Mdのプラスミドによって発現されることが明らかにされた.血清型はO101、K99、F41で、本株は、国内で分離される主要な腸管毒素原性大腸菌(ETEC)と同じ抗原構造をもち、ワクチン株として日本においても好適と考えられた.ワクチン効果判定のためのK99抗体価測定法として受身血球凝集反応(PHA法)を確立し、従来用いられている菌体凝集反応と比較した.両者間には高い相関(r=0.879)が認められ、またPHA法は幾何平均で2.5倍高い値を示した.PHA法は菌体凝集反応に比べ安定、簡便で感度が良く、有用なK99抗体価測定法と考えられた.感染防御試験では、ワクチン接種母牛由来の子牛をワクチン群、非接種母牛からの子牛を対照群とし、ETECで攻撃し、その防御能を検討した.攻撃後ワクチン群は全頭耐過生存した.一方、対照群は水様性下痢から全頭死亡し、本ワクチンのK99移行抗体を介する新生子牛への感染防御能の付与が確認された.疫学調査では、1道20県から30日齢以下の下痢子牛270頭の直腸スワブを集め大腸菌を分離したところ、33頭(12.2%)由来の株がETECと同定された.これらETEC検出子牛33頭中29頭(87.9%)は5日齢以下で水様便を呈していた.ETECの検出率及び検出状況は諸外国の報告とほぼ同様であり、わが国においてもETECが新生子牛の下痢に強く関与していることが明らかにされた。\",\"PeriodicalId\":293284,\"journal\":{\"name\":\"The Tohoku Journal Veterinary Clinics\",\"volume\":\"29 1\",\"pages\":\"0\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"1900-01-01\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"2\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"The Tohoku Journal Veterinary Clinics\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.4190/JJVC1990.17.65\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"The Tohoku Journal Veterinary Clinics","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.4190/JJVC1990.17.65","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
引用次数: 2