Examination of structure model for vibration control of sliding and rocking motion of cylindrical structure using highly viscous fluid

1. 緒 言 使用済核燃料廃棄物はキャスクと呼ばれる自立型円筒構 造物に収納され保管される.キャスクは地面に対して直置 きされるため地震発生時にキャスクの転倒,キャスク同士 の衝突が懸念されている.これまでの研究では高粘性流体 を内包する二重円筒構造の制振装置の開発し,実験・シミュ レーションにおいてその有効性を報告している 1).本研究で はキャスク内部にあるキャニスタを考慮し,キャスク-キャ ニスタ系をすべりを伴う 2自由度連成系のモデルで構築し, シミュレーションにてキャニスタを考慮した場合のキャス クの挙動や制振装置の有効性を検討した. 2. 解析モデルと運動方程式 図 1に解析モデルを示す.キャニスタは上下方向の変位 を拘束した状態とし,地震外力が作用するとキャニスタは 両端支持はりの 1次モードで振動すると仮定している.ま た,解析モデルは Shenton2)のモデルを参考に作成した.構 造物の寸法は高さ 2H,幅 2B,質量M,構造物の端から制 振装置搭載時の重心 G′ までの距離 r′ とする.基礎の水平 方向の励振加速度 ah,基礎から見たキャスクの重心の水平 方向の相対変位を X,キャスクから見たキャニスタの重心 の水平方向の相対変位を xで表す.構造物のすべり開始条 件を式 (1),すべりの運動方程式を式 (2)に示す.