{"title":"和歌山县渔村灾前恢复计划","authors":"Takayuki Hirata","doi":"10.2750/arp.39.39","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"和歌山県の漁業は不振が続いている。生産量は 1980 年代の 1/6 に,産出額は 1/4 に落ちている。漁業不振に 連動して漁業人口も減っており,1985 年から 2013 年ま での 28 年間で,漁業従事者は 4割に,漁業世帯員人数 は 1/4 にまで減った。60 歳以上の漁師が約 6割を占め るが,すでに高齢化のピークは過ぎている。 漁は北部と南部で大きく異なっている。北部の漁村は 瀬戸内海に面しており,シラス・イカ・マダイなどの近 海魚を獲る。京都の夏の風物詩のハモや,高級魚として 韓国に出荷されるタチウオは和歌山北部で取れたものが 多い。小型漁船による底曳網漁業や一本釣り漁業が主流 で,家族経営が多く,高齢化も激しい。南海トラフ地震 が発生した場合,沿岸の多くは浸水するが,発災から浸 水までに 20 分程度の時間があるため,避難することは 可能である。 南部は黒潮がすぐ近くに流れる太平洋を漁場とし,カ ツオやマグロ類を対象とした曳縄釣(ケンケン)漁業や 延縄漁業,さらに定置網やマグロ養殖,イセエビの刺網 漁業や捕鯨など様々な漁業が営まれている。経営体の規 模も様々で,観光業と連携した 6次産業化で成果をあ げるところも多い。一方,南海トラフ地震の震源に近 く,発災数分で 10mを超える津波が到達する想定がさ れ,復興はもとより避難すら難しいという難題を抱えて いる。","PeriodicalId":272722,"journal":{"name":"JOURNAL OF RURAL PLANNING ASSOCIATION","volume":"19 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2020-06-30","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"Pre-Disaster Recovery Programs for Fishing Village in Wakayama Prefecture\",\"authors\":\"Takayuki Hirata\",\"doi\":\"10.2750/arp.39.39\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"和歌山県の漁業は不振が続いている。生産量は 1980 年代の 1/6 に,産出額は 1/4 に落ちている。漁業不振に 連動して漁業人口も減っており,1985 年から 2013 年ま での 28 年間で,漁業従事者は 4割に,漁業世帯員人数 は 1/4 にまで減った。60 歳以上の漁師が約 6割を占め るが,すでに高齢化のピークは過ぎている。 漁は北部と南部で大きく異なっている。北部の漁村は 瀬戸内海に面しており,シラス・イカ・マダイなどの近 海魚を獲る。京都の夏の風物詩のハモや,高級魚として 韓国に出荷されるタチウオは和歌山北部で取れたものが 多い。小型漁船による底曳網漁業や一本釣り漁業が主流 で,家族経営が多く,高齢化も激しい。南海トラフ地震 が発生した場合,沿岸の多くは浸水するが,発災から浸 水までに 20 分程度の時間があるため,避難することは 可能である。 南部は黒潮がすぐ近くに流れる太平洋を漁場とし,カ ツオやマグロ類を対象とした曳縄釣(ケンケン)漁業や 延縄漁業,さらに定置網やマグロ養殖,イセエビの刺網 漁業や捕鯨など様々な漁業が営まれている。経営体の規 模も様々で,観光業と連携した 6次産業化で成果をあ げるところも多い。一方,南海トラフ地震の震源に近 く,発災数分で 10mを超える津波が到達する想定がさ れ,復興はもとより避難すら難しいという難題を抱えて いる。\",\"PeriodicalId\":272722,\"journal\":{\"name\":\"JOURNAL OF RURAL PLANNING ASSOCIATION\",\"volume\":\"19 1\",\"pages\":\"0\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"2020-06-30\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"0\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"JOURNAL OF RURAL PLANNING ASSOCIATION\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.2750/arp.39.39\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"JOURNAL OF RURAL PLANNING ASSOCIATION","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.2750/arp.39.39","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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Pre-Disaster Recovery Programs for Fishing Village in Wakayama Prefecture
和歌山県の漁業は不振が続いている。生産量は 1980 年代の 1/6 に,産出額は 1/4 に落ちている。漁業不振に 連動して漁業人口も減っており,1985 年から 2013 年ま での 28 年間で,漁業従事者は 4割に,漁業世帯員人数 は 1/4 にまで減った。60 歳以上の漁師が約 6割を占め るが,すでに高齢化のピークは過ぎている。 漁は北部と南部で大きく異なっている。北部の漁村は 瀬戸内海に面しており,シラス・イカ・マダイなどの近 海魚を獲る。京都の夏の風物詩のハモや,高級魚として 韓国に出荷されるタチウオは和歌山北部で取れたものが 多い。小型漁船による底曳網漁業や一本釣り漁業が主流 で,家族経営が多く,高齢化も激しい。南海トラフ地震 が発生した場合,沿岸の多くは浸水するが,発災から浸 水までに 20 分程度の時間があるため,避難することは 可能である。 南部は黒潮がすぐ近くに流れる太平洋を漁場とし,カ ツオやマグロ類を対象とした曳縄釣(ケンケン)漁業や 延縄漁業,さらに定置網やマグロ養殖,イセエビの刺網 漁業や捕鯨など様々な漁業が営まれている。経営体の規 模も様々で,観光業と連携した 6次産業化で成果をあ げるところも多い。一方,南海トラフ地震の震源に近 く,発災数分で 10mを超える津波が到達する想定がさ れ,復興はもとより避難すら難しいという難題を抱えて いる。