{"title":"高纬度孕育珊瑚的繁殖周期","authors":"K. Yamazato, Elia Suwardi, S. Sultana","doi":"10.3755/JCRS.10.1","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"ハナヤサイサンゴ科の3種のサンゴ,ハナヤサイサンゴ,トゲサンゴ,ショウガサンゴは,多くの海域でプラヌラ幼生を一年のうちの長い期間,月に1回の頻度で産出すること,産出の期間は低緯度ほど長く,高緯度になるにつれて短くなることが知られている(Harrison and Wallace 1990)。沖縄にもこれらのサンゴは生息し,しかも沖縄が分布の北限に近い(西平・Veron 1995)。沖縄県瀬底島(26°40′N, 127°50′E)において(1993年9月~1995年5月に3種を,1995年4月~1996年6月にショウガサンゴを飼育観察した結果,ハナヤサイサンゴは,自然温度(常温)下では,冬季(1~3月または2月~4月)には幼生産出がなく,その間に26℃に暖めると幼生産出し,温暖期でも22℃または20℃に冷やすと幼生産出がなくなることがわかった。20℃では,最初のひと月だけ幼生産出をおこない,以後死亡した。トゲサンゴとショウガサンゴは常温では,5月~9月及び10月の間に幼生を産出した。ショウガサンゴについては,1995年4月~1996年6月に,常温と定温(26℃)下で飼育観察した。常温では,6月~8月に幼生産出し,定温(26℃)ではそれ以外の季節でも幼生を産出した。この結果から3種のサンゴの幼生産出は水温に依存し,ハナヤサイサンゴの幼生産出の下限は20℃,トゲサンゴとショウガサンゴのそれは24℃と推測できる。これは,これらのサンゴの分布の北限とも関連する。西平・Veron(1995)によると,ハナヤサイサンゴの分布は串本(34°N, 年平均水温22.0℃),トゲサンゴは奄美大島(28°N, 24.5℃)(環境省・日本サンゴ礁学会 2004),ショウガサンゴは天草(32°N, 13-27℃)である。海水の温度は Yeemin et al. (1990)に拠った。ちなみに沖縄島は26°N, 25℃である。","PeriodicalId":432348,"journal":{"name":"Journal of The Japanese Coral Reef Society","volume":"54 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"1900-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"5","resultStr":"{\"title\":\"Reproductive cycle of brooding corals at high latitude\",\"authors\":\"K. Yamazato, Elia Suwardi, S. Sultana\",\"doi\":\"10.3755/JCRS.10.1\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"ハナヤサイサンゴ科の3種のサンゴ,ハナヤサイサンゴ,トゲサンゴ,ショウガサンゴは,多くの海域でプラヌラ幼生を一年のうちの長い期間,月に1回の頻度で産出すること,産出の期間は低緯度ほど長く,高緯度になるにつれて短くなることが知られている(Harrison and Wallace 1990)。沖縄にもこれらのサンゴは生息し,しかも沖縄が分布の北限に近い(西平・Veron 1995)。沖縄県瀬底島(26°40′N, 127°50′E)において(1993年9月~1995年5月に3種を,1995年4月~1996年6月にショウガサンゴを飼育観察した結果,ハナヤサイサンゴは,自然温度(常温)下では,冬季(1~3月または2月~4月)には幼生産出がなく,その間に26℃に暖めると幼生産出し,温暖期でも22℃または20℃に冷やすと幼生産出がなくなることがわかった。20℃では,最初のひと月だけ幼生産出をおこない,以後死亡した。トゲサンゴとショウガサンゴは常温では,5月~9月及び10月の間に幼生を産出した。ショウガサンゴについては,1995年4月~1996年6月に,常温と定温(26℃)下で飼育観察した。常温では,6月~8月に幼生産出し,定温(26℃)ではそれ以外の季節でも幼生を産出した。この結果から3種のサンゴの幼生産出は水温に依存し,ハナヤサイサンゴの幼生産出の下限は20℃,トゲサンゴとショウガサンゴのそれは24℃と推測できる。これは,これらのサンゴの分布の北限とも関連する。西平・Veron(1995)によると,ハナヤサイサンゴの分布は串本(34°N, 年平均水温22.0℃),トゲサンゴは奄美大島(28°N, 24.5℃)(環境省・日本サンゴ礁学会 2004),ショウガサンゴは天草(32°N, 13-27℃)である。海水の温度は Yeemin et al. (1990)に拠った。ちなみに沖縄島は26°N, 25℃である。\",\"PeriodicalId\":432348,\"journal\":{\"name\":\"Journal of The Japanese Coral Reef Society\",\"volume\":\"54 1\",\"pages\":\"0\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"1900-01-01\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"5\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Journal of The Japanese Coral Reef Society\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.3755/JCRS.10.1\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Journal of The Japanese Coral Reef Society","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.3755/JCRS.10.1","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
引用次数: 5
摘要
花菜珊瑚科的三种珊瑚,花菜珊瑚,刺珊瑚,生姜珊瑚,在许多海域以一年中的较长时间,每月一次的频率出产幼体,出产时间越低纬度越长,众所周知,随着纬度越高纬度越短(Harrison and Wallace 1990)。冲绳也有这些珊瑚,而且冲绳接近分布的最北端(西平,Veron 1995)。1993年9月~ 1995年5月在冲绳县濑底岛(26°40′N, 127°50′E)饲养观察了3种珊瑚,1995年4月~ 1996年6月饲养观察了生姜珊瑚,结果发现花蔬菜珊瑚为:在自然温度(常温)下,冬季(1 ~ 3月或2月~ 4月)无幼体产出,在此期间将温度调至26℃就有幼体产出,即使在温暖期,温度调至22℃或20℃也无幼体产出。在20℃下,只有头一个月产幼,以后死亡。刺珊瑚和生姜珊瑚在常温下,5月~ 9月及10月间产幼。生姜珊瑚于1995年4月~ 1996年6月在常温和恒温(26℃)下进行饲养观察。常温下,6月~ 8月产幼仔,恒温(26℃)下,其他季节也产幼仔。由此可以推测,三种珊瑚的幼体产出取决于水温,花珊瑚幼体产出下限为20℃,刺珊瑚和生姜珊瑚为24℃。这也与这些珊瑚分布的北限有关。根据西平·Veron(1995),花珊瑚的分布是串本(34°N,年平均水温22.0℃),刺珊瑚是奄美大岛(28°N, 24.5℃)(环境省·日本珊瑚礁学会2004),生姜珊瑚是天草(32°N, 13-27℃)。海水的温度依据Yeemin et al.(1990)。另外,冲绳岛为26°N, 25°c。