Yota Takeda, Y. Toyoshima, Kazuki Terayama, Kyo Nakamichi, Ririko Urashima
{"title":"基于金泽町町房地产数据的传统木结构房屋利用分析","authors":"Yota Takeda, Y. Toyoshima, Kazuki Terayama, Kyo Nakamichi, Ririko Urashima","doi":"10.11361/cpijchubu.32.0_49","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"**正会員 石川工業高等専門学校 (National Institute of Technology, Ishikawa College) 1.はじめに 非戦災都市である金沢市は、戦前に建てられた伝統的木 造家屋(金澤町家)が数多く残存している。金沢市では金澤 町家を保存・活用するために、「金澤町家の保全及び活用の 推進に関する条例」の制定をはじめとする積極的な支援を 行っている。しかし、依然として金澤町家の空き家化や滅 失は進行しており、問題視されている。金澤町家は、2012 年には約7,100 件が残存していたが、2017 年までにそのう ち約 600 件が滅失している 1)。今後、更に空き家化や滅失 が増加することによって、金沢市の文化的景観が失われ、 地域の特色が喪失することが危惧される。このことから、 金澤町家の空き家や滅失の発生を早急に抑制する必要があ る。 伝統的木造家屋の保存・活用に関する議論は、近年盛ん に行われており、既存研究は多数存在する。例えば、橋本 ら 2)は、京都市において伝統的木造建物ストックの特徴や 分布特性について悉皆調査及びアンケート調査・ヒアリン グ調査を行い明らかにしている。松本・瀬戸 3)は、GIS デ ータベースを用いて京町家の滅失要因について分析をし、 滅失には建物が空き家であるか否か、建物の保存状態など の要因が関連していることを示している。藤平 4)は、伝統 的木造住宅の残る地域で住民に対して空き家に対する意識 について調査を行っている。また、本研究の対象地域であ る金沢市に関する既存研究では、小林ら 5)が歴史的木造家 屋ストックの特性について宅地の形状や宅地内の家屋配置 の観点から明らかにしている。こうした一連の研究では、 伝統的木造家屋の位置、状態などのデータは、悉皆(全数) 調査や独自のアンケート調査を行うことで取得されている。 伝統的木造家屋の空き家・滅失化は時間の経過とともに動 的に変化するため、この要因を解明するためには、定期的 な調査が必要である。しかし、悉皆調査は膨大な調査時間 を要するため、動的な変化を十分に捉えることが難しい。 その一方で、伝統的木造家屋を有する自治体では、不動産 データを公開し、空き家となった伝統的木造家屋の有効活 用を図ろうとしている。このようなオープンアクセスデー タを用いて、既存の調査と同様に空き家・滅失要因を明ら かにすることが可能となれば、調査に係る負担を大幅に削 減できると考えられる。 そこで本研究では、金澤町家情報バンクに掲載されてい る伝統的木造家屋(金澤町家)を対象として、それらの利用 実態を明らかにすることを目的とする。具体的には、まず 金澤町家と一般的な木造建物の取引価格・使用用途・敷地 面積などを比較し、金澤町家の特徴を把握する。次に、目 視調査の結果を用いて、金澤町家の使用中・空き家の判別 を行い、両者の違いを明らかにする。","PeriodicalId":148949,"journal":{"name":"Proceedings of the City Planning Institute of Japan, Chubu Branch","volume":null,"pages":null},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"1900-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"Analysis of the Utilization of Traditional Wooden Homes Based on Real Estate Data for Kanazawa Machiya\",\"authors\":\"Yota Takeda, Y. Toyoshima, Kazuki Terayama, Kyo Nakamichi, Ririko Urashima\",\"doi\":\"10.11361/cpijchubu.32.0_49\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"**正会員 石川工業高等専門学校 (National Institute of Technology, Ishikawa College) 1.はじめに 非戦災都市である金沢市は、戦前に建てられた伝統的木 造家屋(金澤町家)が数多く残存している。金沢市では金澤 町家を保存・活用するために、「金澤町家の保全及び活用の 推進に関する条例」の制定をはじめとする積極的な支援を 行っている。しかし、依然として金澤町家の空き家化や滅 失は進行しており、問題視されている。金澤町家は、2012 年には約7,100 件が残存していたが、2017 年までにそのう ち約 600 件が滅失している 1)。今後、更に空き家化や滅失 が増加することによって、金沢市の文化的景観が失われ、 地域の特色が喪失することが危惧される。このことから、 金澤町家の空き家や滅失の発生を早急に抑制する必要があ る。 伝統的木造家屋の保存・活用に関する議論は、近年盛ん に行われており、既存研究は多数存在する。例えば、橋本 ら 2)は、京都市において伝統的木造建物ストックの特徴や 分布特性について悉皆調査及びアンケート調査・ヒアリン グ調査を行い明らかにしている。松本・瀬戸 3)は、GIS デ ータベースを用いて京町家の滅失要因について分析をし、 滅失には建物が空き家であるか否か、建物の保存状態など の要因が関連していることを示している。藤平 4)は、伝統 的木造住宅の残る地域で住民に対して空き家に対する意識 について調査を行っている。また、本研究の対象地域であ る金沢市に関する既存研究では、小林ら 5)が歴史的木造家 屋ストックの特性について宅地の形状や宅地内の家屋配置 の観点から明らかにしている。こうした一連の研究では、 伝統的木造家屋の位置、状態などのデータは、悉皆(全数) 調査や独自のアンケート調査を行うことで取得されている。 伝統的木造家屋の空き家・滅失化は時間の経過とともに動 的に変化するため、この要因を解明するためには、定期的 な調査が必要である。しかし、悉皆調査は膨大な調査時間 を要するため、動的な変化を十分に捉えることが難しい。 その一方で、伝統的木造家屋を有する自治体では、不動産 データを公開し、空き家となった伝統的木造家屋の有効活 用を図ろうとしている。このようなオープンアクセスデー タを用いて、既存の調査と同様に空き家・滅失要因を明ら かにすることが可能となれば、調査に係る負担を大幅に削 減できると考えられる。 そこで本研究では、金澤町家情報バンクに掲載されてい る伝統的木造家屋(金澤町家)を対象として、それらの利用 実態を明らかにすることを目的とする。具体的には、まず 金澤町家と一般的な木造建物の取引価格・使用用途・敷地 面積などを比較し、金澤町家の特徴を把握する。次に、目 視調査の結果を用いて、金澤町家の使用中・空き家の判別 を行い、両者の違いを明らかにする。\",\"PeriodicalId\":148949,\"journal\":{\"name\":\"Proceedings of the City Planning Institute of Japan, Chubu Branch\",\"volume\":null,\"pages\":null},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"1900-01-01\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"0\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Proceedings of the City Planning Institute of Japan, Chubu Branch\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.11361/cpijchubu.32.0_49\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Proceedings of the City Planning Institute of Japan, Chubu Branch","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.11361/cpijchubu.32.0_49","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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摘要
正式会员石川工业高等专门学校(National Institute of Technology,Ishikawa College) 1.前言作为非战争灾害都市的金泽市,残存着许多战前建造的传统木造房屋(金泽町家)。金泽市为了保护和活用金泽町家,制定了“金泽町家的保全及活用推进相关条例”等积极的支援。但是,金泽町家的空屋化和灭失依然在进行,被视为问题。金泽町家在2012年约有7,100件残存,到2017年其中约600件已灭失1)。今后,随着空屋化和灭失的进一步增加,金泽市的文化景观将会消失,地域特色将会丧失。因此,有必要尽快抑制金泽町家的空屋和灭失的发生。近年来,关于传统木造房屋的保存和活用的讨论非常热烈,已有的研究很多。例如,桥本等人2)在京都市对传统木造建筑物存量的特征和分布特性进行了调查以及问卷调查·调查。松本·濑户3)利用GIS数据库对京町家的灭失因素进行了分析,显示灭失与建筑物是否空置、建筑物的保存状态等因素有关。藤平4)在保留传统木造住宅的地区,对居民进行了关于对空房子意识的调查。另外,在本研究的对象地区金泽市的相关研究中,小林等5)从住宅用地的形状和住宅用地内的房屋配置的观点,阐明了历史木造房屋存量的特性。在这一系列的研究中,传统木造房屋的位置、状态等数据都是通过全数调查和独立的问卷调查获得的。传统木造房屋的空屋、灭失化会随着时间的推移而动态变化,为了弄清这一原因,有必要定期进行调查。但是,悉皆调查需要大量的调查时间,因此很难充分捕捉动态变化。另一方面,拥有传统木造房屋的地方政府公开房地产数据,试图有效利用闲置的传统木造房屋。如果使用这样的开放访问数据,与现有的调查一样,能够明确空屋、灭失因素的话,可以认为可以大幅减少调查的负担。因此,本研究以金泽町家信息库中登载的传统木造房屋(金泽町家)为对象,目的在于明确它们的利用实际情况。具体来说,首先比较金泽町家和一般木造建筑物的交易价格、使用用途、占地面积等,把握金泽町家的特征。接下来,利用目视调查的结果,判断金泽町家的闲置房屋,明确两者的区别。