Hidefumi Kubo, Takahiro Watanabe, Noriaki Hashimoto, S. Hiraki, S. Fukuda, Kazuhisa Tokunou, Toru Kawaoka, T. Tamesa
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A Case of Intractable Pancreatic Fistula after Pancreatoduodenectomy, Successfully Cured by Fistulo-jejunostomy Directly under the Abdominal Wall
われわれは膵頭十二指腸切除後に発生した難治性 膵液瘻に対し,皮下レベルでの瘻孔空腸吻合を施行 し治癒可能となった症例を経験したので報告する. 症例は56歳女性,膵頭部に対して膵頭十二指腸切除 を施行した.消化管再建はChild変法にて行い,膵 空腸吻合は端側吻合を行った.術後16日目より膵液 漏を認め,絶食・TPN・ソマトスタチンアナログ 投与などの保存加療を行ったが難治性であった.そ の後も膵液漏は持続したため,術後64日目に再手術 を施行した.腹壁直下の瘻孔腔に挙上空腸を吻合し splint tubeを吻合部に挿入した.Tubeは空腸内よ り腹腔外へ誘導して膵液を外瘻させた.これまで術 後合併症はなく瘻再発および膵炎再燃は認められて いない.この術式は従来の方法に比し,瘻孔の腹腔 内までの追求剥離操作を行わないため,手技的に簡 便で副損傷の可能性が少ない.また空腸と腹壁筋膜 の一部とを固定するため瘻孔との空腸の確実な吻合 を行うことができる.術後難治性膵液瘻に対する有 効な治療法であると考えられるものの,長期的な成 績は不明であるため症例を蓄積した上で検討してい く必要がある. は じ め に