R. Satoh
{"title":"牛肾功能试验的研究。","authors":"R. Satoh","doi":"10.4190/JJVC1990.14.51","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"Iは じめ に 腎臓 は、水分や新陳代謝終末産物 としての含窒素成分、 電解 質等 の排泄や再吸収 あるいは血液浸透圧 や酸 ・塩基 平衡 の調節等 の生理作用に よって、生体の内部環境 の恒 常性 を維持す る機能 を有 してい る。その機能 は、腎血管 系 ・糸球体 ・尿細管 ・尿路系 さらに これ らを調節す る内 分泌系等 多 くの機能の総合作用に よるもので あ り、 した が って非常に多面的 な性格 を有 してい る。腎臓 の疾病 に おいて病態 を把握 するためには、単独 の検査 法を実施す るだけでな く、 これ ら各部位 の機能 につい てそれ ぞれ機 能検査 を実施 して総合的 に診断す る必要 がある。 一方 、 ウシの臨床 にお いては、細菌性腎盂 腎炎、 ア ミ ロイ ドー シス等 の原発性 な らびに併発性腎疾患 が知 られ てお り26,32)、 屠場 における屠畜検査 にお いて も、病牛 だ けでな く健康牛 か らも高率 に腎組織 にお いて腎病 変が 観察 されてい る。このよ うに、 ウシにおいては腎臓 に病 変 を有す る個体が多い と考え られ るが、実際 には腎病変 を有 してい るものが臨床症状 を呈 している とは限 らず、 また他の疾病 と合併 している ことが多いため、腎疾患 自 体がかな り高度にな らない限 り見過 ごされ るこ とが多い。 この原因 の1つ に、 ウシの臨床 におい て応用可能 な腎機 能検査法 が少な く、そ の基礎研究 も不十分 であることが あげ られ る。 現在、 ウシの臨床面 でルー チン化 され てい る腎機能検 査法 には血 中尿素窒素(BUN)と 血 中 クレアチニ ン(C RE)濃 度 の測定 があるが、 これ らの物質 は ともに糸球 体濾過量(GFR)を 表す ものの、腎臓 のネフ ロン数 の 半数 以上 が障害 されない限 り血中に蓄積 され ない ことが 知 られてい る2,14,23,26,28,29)。 したが って これ らの 検査 法では、尿 毒症 に至る前段 階での初期 の腎機能低 下 を診 断す ることは不可能 であ る。そのよ うな現状 の中で、 BUNやCRE濃 度 の測定以外 の臨床応用 可能 な腎機能 検査 法の確 立が強 く望 まれ るところである。 また、腎機能 は牛以 外の哺乳動物 では成 長に伴 い発達 し、 新生児では未熟であ ることが知 られてい る13,18)。 しか し、子牛の腎機能 が成牛に比べて未 熟であ るか否か につ いては、研究者に よ り意見の分かれ るところであ り、 未 だ統一見解 を得 るに至 っていない。一方、腎機 能検査 成績 は、腎臓の病変以外の腎外性因子の影響 を強 く受け るこ とが知 られてい る15,17,19)。 一般 に、 多 くの疾 病","PeriodicalId":293284,"journal":{"name":"The Tohoku Journal Veterinary Clinics","volume":"9 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"1900-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"Study on Renal Function Test in Cattle.\",\"authors\":\"R. Satoh\",\"doi\":\"10.4190/JJVC1990.14.51\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"Iは じめ に 腎臓 は、水分や新陳代謝終末産物 としての含窒素成分、 電解 質等 の排泄や再吸収 あるいは血液浸透圧 や酸 ・塩基 平衡 の調節等 の生理作用に よって、生体の内部環境 の恒 常性 を維持す る機能 を有 してい る。その機能 は、腎血管 系 ・糸球体 ・尿細管 ・尿路系 さらに これ らを調節す る内 分泌系等 多 くの機能の総合作用に よるもので あ り、 した が って非常に多面的 な性格 を有 してい る。腎臓 の疾病 に おいて病態 を把握 するためには、単独 の検査 法を実施す るだけでな く、 これ ら各部位 の機能 につい てそれ ぞれ機 能検査 を実施 して総合的 に診断す る必要 がある。 一方 、 ウシの臨床 にお いては、細菌性腎盂 腎炎、 ア ミ ロイ ドー シス等 の原発性 な らびに併発性腎疾患 が知 られ てお り26,32)、 屠場 における屠畜検査 にお いて も、病牛 だ けでな く健康牛 か らも高率 に腎組織 にお いて腎病 変が 観察 されてい る。このよ うに、 ウシにおいては腎臓 に病 変 を有す る個体が多い と考え られ るが、実際 には腎病変 を有 してい るものが臨床症状 を呈 している とは限 らず、 また他の疾病 と合併 している ことが多いため、腎疾患 自 体がかな り高度にな らない限 り見過 ごされ るこ とが多い。 この原因 の1つ に、 ウシの臨床 におい て応用可能 な腎機 能検査法 が少な く、そ の基礎研究 も不十分 であることが あげ られ る。 現在、 ウシの臨床面 でルー チン化 され てい る腎機能検 査法 には血 中尿素窒素(BUN)と 血 中 クレアチニ ン(C RE)濃 度 の測定 があるが、 これ らの物質 は ともに糸球 体濾過量(GFR)を 表す ものの、腎臓 のネフ ロン数 の 半数 以上 が障害 されない限 り血中に蓄積 され ない ことが 知 られてい る2,14,23,26,28,29)。 したが って これ らの 検査 法では、尿 毒症 に至る前段 階での初期 の腎機能低 下 を診 断す ることは不可能 であ る。そのよ うな現状 の中で、 BUNやCRE濃 度 の測定以外 の臨床応用 可能 な腎機能 検査 法の確 立が強 く望 まれ るところである。 また、腎機能 は牛以 外の哺乳動物 では成 長に伴 い発達 し、 新生児では未熟であ ることが知 られてい る13,18)。 しか し、子牛の腎機能 が成牛に比べて未 熟であ るか否か につ いては、研究者に よ り意見の分かれ るところであ り、 未 だ統一見解 を得 るに至 っていない。一方、腎機 能検査 成績 は、腎臓の病変以外の腎外性因子の影響 を強 く受け るこ とが知 られてい る15,17,19)。 一般 に、 多 くの疾 病\",\"PeriodicalId\":293284,\"journal\":{\"name\":\"The Tohoku Journal Veterinary Clinics\",\"volume\":\"9 1\",\"pages\":\"0\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"1900-01-01\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"0\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"The Tohoku Journal Veterinary Clinics\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.4190/JJVC1990.14.51\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"The Tohoku Journal Veterinary Clinics","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.4190/JJVC1990.14.51","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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Study on Renal Function Test in Cattle.
Iは じめ に 腎臓 は、水分や新陳代謝終末産物 としての含窒素成分、 電解 質等 の排泄や再吸収 あるいは血液浸透圧 や酸 ・塩基 平衡 の調節等 の生理作用に よって、生体の内部環境 の恒 常性 を維持す る機能 を有 してい る。その機能 は、腎血管 系 ・糸球体 ・尿細管 ・尿路系 さらに これ らを調節す る内 分泌系等 多 くの機能の総合作用に よるもので あ り、 した が って非常に多面的 な性格 を有 してい る。腎臓 の疾病 に おいて病態 を把握 するためには、単独 の検査 法を実施す るだけでな く、 これ ら各部位 の機能 につい てそれ ぞれ機 能検査 を実施 して総合的 に診断す る必要 がある。 一方 、 ウシの臨床 にお いては、細菌性腎盂 腎炎、 ア ミ ロイ ドー シス等 の原発性 な らびに併発性腎疾患 が知 られ てお り26,32)、 屠場 における屠畜検査 にお いて も、病牛 だ けでな く健康牛 か らも高率 に腎組織 にお いて腎病 変が 観察 されてい る。このよ うに、 ウシにおいては腎臓 に病 変 を有す る個体が多い と考え られ るが、実際 には腎病変 を有 してい るものが臨床症状 を呈 している とは限 らず、 また他の疾病 と合併 している ことが多いため、腎疾患 自 体がかな り高度にな らない限 り見過 ごされ るこ とが多い。 この原因 の1つ に、 ウシの臨床 におい て応用可能 な腎機 能検査法 が少な く、そ の基礎研究 も不十分 であることが あげ られ る。 現在、 ウシの臨床面 でルー チン化 され てい る腎機能検 査法 には血 中尿素窒素(BUN)と 血 中 クレアチニ ン(C RE)濃 度 の測定 があるが、 これ らの物質 は ともに糸球 体濾過量(GFR)を 表す ものの、腎臓 のネフ ロン数 の 半数 以上 が障害 されない限 り血中に蓄積 され ない ことが 知 られてい る2,14,23,26,28,29)。 したが って これ らの 検査 法では、尿 毒症 に至る前段 階での初期 の腎機能低 下 を診 断す ることは不可能 であ る。そのよ うな現状 の中で、 BUNやCRE濃 度 の測定以外 の臨床応用 可能 な腎機能 検査 法の確 立が強 く望 まれ るところである。 また、腎機能 は牛以 外の哺乳動物 では成 長に伴 い発達 し、 新生児では未熟であ ることが知 られてい る13,18)。 しか し、子牛の腎機能 が成牛に比べて未 熟であ るか否か につ いては、研究者に よ り意見の分かれ るところであ り、 未 だ統一見解 を得 るに至 っていない。一方、腎機 能検査 成績 は、腎臓の病変以外の腎外性因子の影響 を強 く受け るこ とが知 られてい る15,17,19)。 一般 に、 多 くの疾 病