Y. Nuibe
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Regolith Geology and Geochemical Exploration
地化学探査を実施する際,採 集 したサンプルの起源 を 把握することが最も重要である.し か し,オ ース トラリ アやブラジル,西 アフリカのような熱帯性のラテライ ト 質風化作用が地表下数十mに およぶ地質体では,風 化 に 伴い原岩構造が破壊され,異 地性堆積物自体 も風化 を受 けているため,サ ンプルの起源を推定することが非常 に 困難である.ま た,こ のような地質体では風化の過程で 著 しく溶脱がすすみ,タ ーゲ ットとしている元素の地表 徴候が弱 くなる問題 も同時に存在する.こ のため,熱 帯 性風化作痢により生 じる諸問題を理解 ・認識 していない と,異 地性地化学異常 を原地性 として解釈 した り,区 別 して評価 しなければならないサ ンプルを同一条件で評価 して しまう危険性がある. 1980年代末から,ラ テライ ト質深層風化地域での地化 学探査に新たな地形学的な視点を用いたことおよび同地 域で生 じる問題が広 く認識されたことに加え,分 析技術 が進歩 したことにより,同 地域での地化学探査の手法が 大きく変化 した(Butt,2002).蓄 積されたデータ ・知見は, オース トラリアを中心 として レゴリス(regolith)地質学 ・ 地球化学 として体系化 された. 本邦にはラテライ ト質風化層の分布はなく,我 々には ラテライ ト質風化作用へのなじみも薄い.ラ テライ ト質 風化が発達する地域は,探 査の困難 さから十分な探査が 行 わ れ て い る とは 言 い 難 く,今 後 の 重 要 な探 査 タ ー ゲ ッ ト地 域 の一 つ で あ る.本 稿 で は,今 後 ます ます 重 要 に な る と思 わ れ る ラテ ラ イ ト質 風 化 地 域 で の 調 査 に い く らか で も役 立 つ こ と を願 っ て,レ ゴ リス 地 質 学 と地 化 学 探 査 の概 略 を紹 介 す る こ と と した.