Acquisition of Location Information in the Permanent Warehouse

平成 30年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商 取引)市場規模は,18.0兆円(前年 16.5兆円,前年比 8.96%増)に拡大している [1].物流倉庫における作業 は,商品を棚に置き在庫管理システムに入力する入荷作 業,作業員が伝票に従い棚から指定された商品を取り出 すピッキング作業,取り出した商品やその数が正しいか を確認する検品作業,輸送する商品を梱包する梱包作業, 出荷先へ輸送する手続きをする出荷作業などがある.こ れらの中で,コストの 6割をピッキング作業が占めるこ とがあり,ピッキング作業の効率化が求められている [2]. ある倉庫では,多数の種類の部品を保管しており,そ の日の出庫指示により,一日に約 4000点を作業者が保 管棚からピッキングする場合がある.部品を入庫・出庫 する際は,その都度バーコードリーダで部品種別,点数 を読み取り,在庫管理システムに情報が登録される. 当日の出庫品リストは,生産計画システムから倉庫現 場に配信される.この出庫品リストを倉庫担当者がピッ キングしやすいように,編集・並べ替えてピッキング作業 員に作業指示として配布している.倉庫担当者は,ピッ キング作業が効率的に進められるよう,経験的に編集し たり,作業員が通路の混雑具合に応じて迂回し予定外の コースを通ったりすることがあるため,パフォーマンス 指標との関連が明らかではなかった. 倉庫運営におけるパフォーマンス指標はいくつか考え られるが,UWB(Ultra Wide Band;超広帯域)測位 システムを用いた例では,作業員の台車と倉庫壁面に送 受信機を取り付けることで,作業員の位置を測定し,そ の移動距離とピッキングした品目数や,作業時間などを 指標とすることが多い.しかしこのシステムでは,棚や 商品による電波の遮蔽・反射のため,Fig. 1のように誤っ た位置情報が混入することがあり,台車の動きがわかり ∗ 原稿受付 2020年 8月 31日 † (株)日立製作所 Hitachi Ltd. ‡ (株)日立ハイテク Hitachi High-Tech Corporation