S. Murono
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Autoantibody related to dysphagia in dermatomyositis
皮膚筋炎における嚥下障害は,咽頭期では,口蓋筋,咽 頭筋の筋炎に基づく筋力低下で食道への送り込み障害が 起こることが知られており,輪状咽頭筋の病変が高度とな り線維化が著明になると食道入口部の弛緩が不十分とな り,食道への送り込みがますます悪化する。また,食道 期では,蠕動運動の低下で通過障害が起こる。唐帆らの 報告では, 嚥下障害のある皮膚筋炎 10例のVFにおいて, 咽頭クリアランスの低下は 8例にみられ, 合致する結果で ある。そのうち 6例では食道入口部開大障害がみられ, さらにそのうち 2例では鼻咽腔逆流もみられている。一 方,嚥下障害の訴えのある自験の皮膚筋炎 13例のVFでは 咽頭残留が 11例にみられた(図 1A, 図 2)。鼻咽腔逆流 を 4例で観察したが,そのうち 2例では咽頭残留も観察さ れた一方,残りの 2例では咽頭残留は観察されなかった (図 1B)。唐帆の報告と異なり,鼻咽腔逆流のみが顕著と なるタイプの嚥下障害もあるものと思われる。 さらに,自験の嚥下障害の訴えのある 13例と訴えのな い 79例の皮膚筋炎との比較では,胸鎖乳突筋の徒手筋 力テスト値が前者では 2.8であるのに対し後者では 4.0 (p<0.05) であり,嚥下障害の訴えのある例では頸部の筋 力も低下している可能性がある。