{"title":"2017第三届亚洲海洋生物学学术研讨会","authors":"","doi":"10.5179/benthos.73.64","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"64 The 3rd Asian Marine Biology Symposiumが 2017年 11月 3~5日に熊本県立大学で開催されました.Asian Marine Biology Symposium(AMBS)は,各国の研究者が協力し てアジアを取り巻く海洋環境の理解を深めることを目的と しており,1年おきに開催されています.The 1st AMBSは 2012年にプーケット(タイ)で,The 2nd AMBSは 2014 年に済州(韓国)で開催されました.The 3rd AMBSは, 2016年熊本地震による困難のため開催が一年遅れました が,本シンポジウムの委員長である堤裕昭先生をはじめと して多くの参加者の協力のもと無事開催されました. 本シンポジウムへは 7カ国(韓国,タイ,台湾,中国, 日本,フィリピン,ロシア)から 153名が登録し,口頭発 表 60題,ポスター発表 74題が申し込まれました.発表分 野は分類学,生態学,水産学など,生物はプランクトン, ベントス,ネクトンと幅広く扱い,大きな括りとして海洋 生物学をテーマに発表が行われました.口頭発表とポス ター発表ともに盛んな議論が行われ,発表の合間には参加 各国のお菓子がふるまわれました. 私は第一回から AMBSに参加しており,The 1st AMBS は私にとって初めての国際学会であり,The 2nd AMBSで は地震と津波に関するテーマを特別なセッションで発表さ せていただきました.今回,私は “Population dynamics of Monocorophium insidiosum after the 2011 tsunami disturbance” というタイトルでドロクダムシ科端脚類 M. insidiosum(ト ンガリドロクダムシ)の個体群動態に関するポスター発表 を行いました.本種は,個体群形成能力が非常に高く, 2011年に発生した津波攪乱後に卓越して出現しました. 予想以上に多くの方と議論することができ,とても有意義 な時間を過ごすことができました. The 3rd AMBSでは新たに Asian Marine Biology Contribution Awardが設立され,今井一郎先生と Jae-Sang Hong先 生が受賞され,キーノートとしてそれぞれの専門について 講演していただきました.受賞者の一人である今井一郎先 生とは懇親会でお話を伺うことができました.お酒が入っ ている中で水柱中と底泥中の微細藻類に関する数字と暗算 の話を理解するのは大変でした.しかし,その内容は興味 深く,私が研究対象としている多毛類や端脚類の餌生物と しての微細藻類について改めて勉強しなおすきっかけとな り,とても良い刺激となりました.もう一人の受賞者であ る Hong先生は干潟の研究をされており,私はポスター発 表で Hong先生とお話しすることができました.Hong先 生は非常に熱心に生物を研究されている方で,以前別の会 議でお会いした際に「近くでたくさん M. insidiosumが採 れた」と話したところ会議の合間に二人で採集に出かける ほどでした. The 2nd AMBSに引き続き今回のシンポジウムでも学生 の研究発表に対する賞が設けられ,口頭発表とポスター発 ポスター会場にて.筆者の発表の様子.","PeriodicalId":325376,"journal":{"name":"Japanese Journal of Benthology","volume":"42 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2018-08-31","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"The 3rd Asian Marine Biology Symposium 2017参加報告\",\"authors\":\"\",\"doi\":\"10.5179/benthos.73.64\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"64 The 3rd Asian Marine Biology Symposiumが 2017年 11月 3~5日に熊本県立大学で開催されました.Asian Marine Biology Symposium(AMBS)は,各国の研究者が協力し てアジアを取り巻く海洋環境の理解を深めることを目的と しており,1年おきに開催されています.The 1st AMBSは 2012年にプーケット(タイ)で,The 2nd AMBSは 2014 年に済州(韓国)で開催されました.The 3rd AMBSは, 2016年熊本地震による困難のため開催が一年遅れました が,本シンポジウムの委員長である堤裕昭先生をはじめと して多くの参加者の協力のもと無事開催されました. 本シンポジウムへは 7カ国(韓国,タイ,台湾,中国, 日本,フィリピン,ロシア)から 153名が登録し,口頭発 表 60題,ポスター発表 74題が申し込まれました.発表分 野は分類学,生態学,水産学など,生物はプランクトン, ベントス,ネクトンと幅広く扱い,大きな括りとして海洋 生物学をテーマに発表が行われました.口頭発表とポス ター発表ともに盛んな議論が行われ,発表の合間には参加 各国のお菓子がふるまわれました. 私は第一回から AMBSに参加しており,The 1st AMBS は私にとって初めての国際学会であり,The 2nd AMBSで は地震と津波に関するテーマを特別なセッションで発表さ せていただきました.今回,私は “Population dynamics of Monocorophium insidiosum after the 2011 tsunami disturbance” というタイトルでドロクダムシ科端脚類 M. insidiosum(ト ンガリドロクダムシ)の個体群動態に関するポスター発表 を行いました.本種は,個体群形成能力が非常に高く, 2011年に発生した津波攪乱後に卓越して出現しました. 予想以上に多くの方と議論することができ,とても有意義 な時間を過ごすことができました. The 3rd AMBSでは新たに Asian Marine Biology Contribution Awardが設立され,今井一郎先生と Jae-Sang Hong先 生が受賞され,キーノートとしてそれぞれの専門について 講演していただきました.受賞者の一人である今井一郎先 生とは懇親会でお話を伺うことができました.お酒が入っ ている中で水柱中と底泥中の微細藻類に関する数字と暗算 の話を理解するのは大変でした.しかし,その内容は興味 深く,私が研究対象としている多毛類や端脚類の餌生物と しての微細藻類について改めて勉強しなおすきっかけとな り,とても良い刺激となりました.もう一人の受賞者であ る Hong先生は干潟の研究をされており,私はポスター発 表で Hong先生とお話しすることができました.Hong先 生は非常に熱心に生物を研究されている方で,以前別の会 議でお会いした際に「近くでたくさん M. insidiosumが採 れた」と話したところ会議の合間に二人で採集に出かける ほどでした. The 2nd AMBSに引き続き今回のシンポジウムでも学生 の研究発表に対する賞が設けられ,口頭発表とポスター発 ポスター会場にて.筆者の発表の様子.\",\"PeriodicalId\":325376,\"journal\":{\"name\":\"Japanese Journal of Benthology\",\"volume\":\"42 1\",\"pages\":\"0\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"2018-08-31\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"0\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Japanese Journal of Benthology\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.5179/benthos.73.64\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Japanese Journal of Benthology","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.5179/benthos.73.64","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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The 3rd Asian Marine Biology Symposium 2017参加報告
64 The 3rd Asian Marine Biology Symposiumが 2017年 11月 3~5日に熊本県立大学で開催されました.Asian Marine Biology Symposium(AMBS)は,各国の研究者が協力し てアジアを取り巻く海洋環境の理解を深めることを目的と しており,1年おきに開催されています.The 1st AMBSは 2012年にプーケット(タイ)で,The 2nd AMBSは 2014 年に済州(韓国)で開催されました.The 3rd AMBSは, 2016年熊本地震による困難のため開催が一年遅れました が,本シンポジウムの委員長である堤裕昭先生をはじめと して多くの参加者の協力のもと無事開催されました. 本シンポジウムへは 7カ国(韓国,タイ,台湾,中国, 日本,フィリピン,ロシア)から 153名が登録し,口頭発 表 60題,ポスター発表 74題が申し込まれました.発表分 野は分類学,生態学,水産学など,生物はプランクトン, ベントス,ネクトンと幅広く扱い,大きな括りとして海洋 生物学をテーマに発表が行われました.口頭発表とポス ター発表ともに盛んな議論が行われ,発表の合間には参加 各国のお菓子がふるまわれました. 私は第一回から AMBSに参加しており,The 1st AMBS は私にとって初めての国際学会であり,The 2nd AMBSで は地震と津波に関するテーマを特別なセッションで発表さ せていただきました.今回,私は “Population dynamics of Monocorophium insidiosum after the 2011 tsunami disturbance” というタイトルでドロクダムシ科端脚類 M. insidiosum(ト ンガリドロクダムシ)の個体群動態に関するポスター発表 を行いました.本種は,個体群形成能力が非常に高く, 2011年に発生した津波攪乱後に卓越して出現しました. 予想以上に多くの方と議論することができ,とても有意義 な時間を過ごすことができました. The 3rd AMBSでは新たに Asian Marine Biology Contribution Awardが設立され,今井一郎先生と Jae-Sang Hong先 生が受賞され,キーノートとしてそれぞれの専門について 講演していただきました.受賞者の一人である今井一郎先 生とは懇親会でお話を伺うことができました.お酒が入っ ている中で水柱中と底泥中の微細藻類に関する数字と暗算 の話を理解するのは大変でした.しかし,その内容は興味 深く,私が研究対象としている多毛類や端脚類の餌生物と しての微細藻類について改めて勉強しなおすきっかけとな り,とても良い刺激となりました.もう一人の受賞者であ る Hong先生は干潟の研究をされており,私はポスター発 表で Hong先生とお話しすることができました.Hong先 生は非常に熱心に生物を研究されている方で,以前別の会 議でお会いした際に「近くでたくさん M. insidiosumが採 れた」と話したところ会議の合間に二人で採集に出かける ほどでした. The 2nd AMBSに引き続き今回のシンポジウムでも学生 の研究発表に対する賞が設けられ,口頭発表とポスター発 ポスター会場にて.筆者の発表の様子.