Some Metallurgical Observations on Heating of Explosive Austenitic Stainless Clad Steel

爆接18Cr-8Niステンレスクラッド鋼の加熱処理に伴う冶金的挙動を詳細に明らかにした.おもな結論はつぎのとおりである.i)500°～900℃の加熱により,ステンレス鋼合材の全断面にわたってCr炭化物が折出するが,これは爆接時に合材が受けた塑性ひずみにより促進される.ii)接合部では炭素の軟鋼からステンレス鋼への拡散移動が起こり,600°～700℃ではステンレス鋼境界に沿う約50μの深さにわたって,Cr7C3を主体とする異常に高い硬化層が生成する.加熱温度が900℃になると,炭化物はステンレス鋼内部に分散しかたさは低下する.同時にCr7C3のほかにCr23C6およびσ相が析出する.他方,Cr,およびNiが軟鋼側へ拡散し,ステンレス鋼境界には析出相のないステンレス鋼と軟鋼との中間組成をもつ合金層が生成する.1100℃ではこれらの析出物はオーステナイト素地中に再固溶する.iii)爆接時に境界部に生じた溶融層は,加熱によりしだいに軟化し,かつCr炭化物を析出する.iv)アークによる短時間加熱では,接合境界層の軟鋼およびステンレス鋼において脱炭と炭化物析出がそれぞれわずかに生起する。また,ステンレス鋼の熱影響部にはγ+α(δ)の共存域を生成する.