H. Masuda
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Understanding “Kansei” at Customer Contact Points and the Possibility of “Support” through the Use of Technology
これまでの研究では,価値共創における動的なサービス 評価の研究を軸とした取り組みを行ってきた.顧客側視点と しては,マーケティングや消費者行動分野における事前期待 とその修正に着目した動的な顧客満足度モデルの構築と 実証を行った.企業側視点としては, 経営戦略におけるミク ロ経済学モデルの応用による事前期待の修正を顧客側の 学習として捉えたサービス差別化戦略の提案を行った. 産業のサービス化の進展に伴い,サービスを捉えるコンセ プトとして,サービス科学やサービス・ドミナントロジック, サービス・ロジックが注目を集め,使用価値,価値共創といっ た概念が議論されている[1,2].現在,技術や製品を手段と した顧客中心の経営を進める企業が多く展開する中で,顧客 視点による経営への適応が企業に広く求められているためと 考えられる. 企業側で,顧客視点の経営を重視するためには,顧客側の 関連サービス利用の情報を,その経営資源の一部として活用 する視点が必要である.例えば,現在,スマートフォンでの アプリ提供を行うテック系企業においては,顧客が利用する 端末からのサービス利用の情報を踏まえてその施策を変える といった動きが出始めている. しかしながら,顧客側の日々のサービス利用のデータを踏 まえてその施策の調整を行うといった,動的な経営戦略の取 り組みは現時点では十分に体系化されているとはいえない. その課題としては2点が考えられる.1点目は,マーケティ ングにおけるサービス利用に関する動的な価値形成メカニ ズムを表現する基礎的なモデル構築の取り組みが十分で ない点である.2点目は,経営戦略における顧客側の日々の サービス利用やその評価を経営資源として活用可能とする モデル構築に関する取り組みが十分でない点である. このような課題に対して,本研究では,マーケティング の観点から,顧客側の観点での動的なサービス評価モデル の提案及びそのデータ取得環境の構築と実証に取り組む. その一方で,経営戦略の観点では,ミクロ経済学のモデル を応用したサービス提供企業側における顧客の学習を考慮 した意思決定モデルの提案を行う.これにより,顧客側の サービス評価における動的な性質の取り扱いのみならず, 提供者側におけるそのような動的データを活用するための 戦略提案との連携を目指している.