{"title":"北陆地区地级市人口分布集中与扩散分析","authors":"Tomonori Kondo, Daisuke Nogiwa","doi":"10.11361/cpijchubu.33.0_69","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"**非会員 福島大学経済経営学類(Fukushima University) 1. 研究の目的と背景 本格的な人口社会の到来に対応するため,多くの地方圏 の都市においてコンパクト・プラス・ネットワークとよば れる集約型の都市構造への転換をめざし,立地適正化計画 の策定をはじめコンパクトシティ実現のための方策が講 じられている.公共交通の整備を活かした集約型都市の実 現を目指す事例としては富山市が知られており,既往研究 においても富山市のほか地方圏における都市構造の集約 水準や政策効果に関する研究がある 1)2)3).これらの研究の なかには多数の指標を用いて評価基準を設定している研 究が見られるが,都市のもつ多面的な構造を複合的に評価 できる反面,各指標のデータ出所が複数年次にわたってお り,特定の時点における正確な計測結果の導出という点で は課題があるように思われる.都市のもつ経年的な変化に 関する分析においては人口,面積,距離といった集計が容 易なデータに基づく研究の例があり 4),本研究もこうした 既往研究に沿って分析を行う. 筆者らは近藤,数井,野際(2020)において富山市を対 象として,また近藤,数井,川端,野際(2021)では富山 市に加え金沢市,福井市,さらに近藤,野際(2021)にお いて岐阜市,津市を対象として 2005,2010,2015 年の国 勢調査に基づく地域メッシュデータを用いて階級別ごと の人口,メッシュ区画数の時系列的な推移を集計すること で居住人口や都市空間の集約,拡散の水準について分析し た 5)6)7).メッシュ統計については緯度により面積が異なる などの問題はあるものの,時系列での比較が容易であり, 同様の尺度で各都市間の人口分布の集約・拡散の水準を比 較できる利点がある.本研究では過去の筆者らの研究と同 様の手法に基づき,これまでの研究成果に加えて 2020 年 の国勢調査データを追加し居住人口と都市空間の集約・拡 散の状況について分析を行うことを目的とする. 都市空間の集約を主題とする研究においては,立地適正 化計画に基づく都市機能誘導区域及び居住誘導区域内外 での人口の推移を計測することで同計画の政策効果を分 析することが可能だと考えられる.佐藤,原,名越(2020) のように因果推論の考え方を反映した計量分析手法によ り,居住誘導施策について分析を行った研究もあるが 8), 立地適正化計画が制度導入から年数を経ていないことか ら経年的な政策効果を計測することは難しい.そこで本研 究においては市街地の拡散防止に法的拘束力を有し,従前 から土地利用規制として定着している線引き制度を踏ま え,人口や区画数などのデータを市街化区域とそれ以外の 区域に整理,集計して分析を行う.","PeriodicalId":148949,"journal":{"name":"Proceedings of the City Planning Institute of Japan, Chubu Branch","volume":"33 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"1900-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"An Analysis on Concentration and Diffusion of Population Distribution in Prefectural Cities in Hokuriku Region\",\"authors\":\"Tomonori Kondo, Daisuke Nogiwa\",\"doi\":\"10.11361/cpijchubu.33.0_69\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"**非会員 福島大学経済経営学類(Fukushima University) 1. 研究の目的と背景 本格的な人口社会の到来に対応するため,多くの地方圏 の都市においてコンパクト・プラス・ネットワークとよば れる集約型の都市構造への転換をめざし,立地適正化計画 の策定をはじめコンパクトシティ実現のための方策が講 じられている.公共交通の整備を活かした集約型都市の実 現を目指す事例としては富山市が知られており,既往研究 においても富山市のほか地方圏における都市構造の集約 水準や政策効果に関する研究がある 1)2)3).これらの研究の なかには多数の指標を用いて評価基準を設定している研 究が見られるが,都市のもつ多面的な構造を複合的に評価 できる反面,各指標のデータ出所が複数年次にわたってお り,特定の時点における正確な計測結果の導出という点で は課題があるように思われる.都市のもつ経年的な変化に 関する分析においては人口,面積,距離といった集計が容 易なデータに基づく研究の例があり 4),本研究もこうした 既往研究に沿って分析を行う. 筆者らは近藤,数井,野際(2020)において富山市を対 象として,また近藤,数井,川端,野際(2021)では富山 市に加え金沢市,福井市,さらに近藤,野際(2021)にお いて岐阜市,津市を対象として 2005,2010,2015 年の国 勢調査に基づく地域メッシュデータを用いて階級別ごと の人口,メッシュ区画数の時系列的な推移を集計すること で居住人口や都市空間の集約,拡散の水準について分析し た 5)6)7).メッシュ統計については緯度により面積が異なる などの問題はあるものの,時系列での比較が容易であり, 同様の尺度で各都市間の人口分布の集約・拡散の水準を比 較できる利点がある.本研究では過去の筆者らの研究と同 様の手法に基づき,これまでの研究成果に加えて 2020 年 の国勢調査データを追加し居住人口と都市空間の集約・拡 散の状況について分析を行うことを目的とする. 都市空間の集約を主題とする研究においては,立地適正 化計画に基づく都市機能誘導区域及び居住誘導区域内外 での人口の推移を計測することで同計画の政策効果を分 析することが可能だと考えられる.佐藤,原,名越(2020) のように因果推論の考え方を反映した計量分析手法によ り,居住誘導施策について分析を行った研究もあるが 8), 立地適正化計画が制度導入から年数を経ていないことか ら経年的な政策効果を計測することは難しい.そこで本研 究においては市街地の拡散防止に法的拘束力を有し,従前 から土地利用規制として定着している線引き制度を踏ま え,人口や区画数などのデータを市街化区域とそれ以外の 区域に整理,集計して分析を行う.\",\"PeriodicalId\":148949,\"journal\":{\"name\":\"Proceedings of the City Planning Institute of Japan, Chubu Branch\",\"volume\":\"33 1\",\"pages\":\"0\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"1900-01-01\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"0\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Proceedings of the City Planning Institute of Japan, Chubu Branch\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.11361/cpijchubu.33.0_69\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Proceedings of the City Planning Institute of Japan, Chubu Branch","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.11361/cpijchubu.33.0_69","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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An Analysis on Concentration and Diffusion of Population Distribution in Prefectural Cities in Hokuriku Region
**非会員 福島大学経済経営学類(Fukushima University) 1. 研究の目的と背景 本格的な人口社会の到来に対応するため,多くの地方圏 の都市においてコンパクト・プラス・ネットワークとよば れる集約型の都市構造への転換をめざし,立地適正化計画 の策定をはじめコンパクトシティ実現のための方策が講 じられている.公共交通の整備を活かした集約型都市の実 現を目指す事例としては富山市が知られており,既往研究 においても富山市のほか地方圏における都市構造の集約 水準や政策効果に関する研究がある 1)2)3).これらの研究の なかには多数の指標を用いて評価基準を設定している研 究が見られるが,都市のもつ多面的な構造を複合的に評価 できる反面,各指標のデータ出所が複数年次にわたってお り,特定の時点における正確な計測結果の導出という点で は課題があるように思われる.都市のもつ経年的な変化に 関する分析においては人口,面積,距離といった集計が容 易なデータに基づく研究の例があり 4),本研究もこうした 既往研究に沿って分析を行う. 筆者らは近藤,数井,野際(2020)において富山市を対 象として,また近藤,数井,川端,野際(2021)では富山 市に加え金沢市,福井市,さらに近藤,野際(2021)にお いて岐阜市,津市を対象として 2005,2010,2015 年の国 勢調査に基づく地域メッシュデータを用いて階級別ごと の人口,メッシュ区画数の時系列的な推移を集計すること で居住人口や都市空間の集約,拡散の水準について分析し た 5)6)7).メッシュ統計については緯度により面積が異なる などの問題はあるものの,時系列での比較が容易であり, 同様の尺度で各都市間の人口分布の集約・拡散の水準を比 較できる利点がある.本研究では過去の筆者らの研究と同 様の手法に基づき,これまでの研究成果に加えて 2020 年 の国勢調査データを追加し居住人口と都市空間の集約・拡 散の状況について分析を行うことを目的とする. 都市空間の集約を主題とする研究においては,立地適正 化計画に基づく都市機能誘導区域及び居住誘導区域内外 での人口の推移を計測することで同計画の政策効果を分 析することが可能だと考えられる.佐藤,原,名越(2020) のように因果推論の考え方を反映した計量分析手法によ り,居住誘導施策について分析を行った研究もあるが 8), 立地適正化計画が制度導入から年数を経ていないことか ら経年的な政策効果を計測することは難しい.そこで本研 究においては市街地の拡散防止に法的拘束力を有し,従前 から土地利用規制として定着している線引き制度を踏ま え,人口や区画数などのデータを市街化区域とそれ以外の 区域に整理,集計して分析を行う.