{"title":"大阪以南森树地区自流地下水水质:特别参考水质与地面沉降的关系","authors":"Michiji Tsurumaki","doi":"10.5917/JAGH1959.24.103","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"The land subsidence due to groundwater pumping in Senshu area, southern part of Osaka pref., began in 1969 and the highest value amounted to 40 cm for five years. The principal aguifers in this area are the sand and gravel strata in the Plio-Pleistocene Osaka Group, The water quality of 53 wells was examined during 1977 to 1980, and the chemical charactreistics were investigated. Among the main constieuents in water the alkalinity appeared to be related with the amount of subsidence. Using another data of 50 wells examined in 1972 besides the above data, the spatial distribution of alkalinity was checked more closely. The area pumping the water of high alkalinity coincides with the severe subsidence area. The alkainity also related with both of the concentrations of ammonium nitrogen and phosphate phosphorus. It is said, accordingy, that the groundwater in this subsidence area is characterized by high concentrations of C, N and P compounds. <BR> The reasons for this relationship are that (1) the younger marine clayey strata which serve as a con fining beds are rich in organic matter, (2) in an anaerobic condition the organic matter produces bicarbonate, ammonium and phosphate, and (3) heavy pumping leads to lowering piezometric head which results in squeezing out the pore water with high concentrations of C, N and P compounds through the confining beds. *日本地下水学会昭和53年度春季講演会および1981年度 日本地球化学会年会において一部を発表した. 紳大阪市立大学理学部 Faculty of Science, Osaka City University, Osaka, Japan. 1ま え が き 大阪府下の西大阪および東大阪地域では,か つて 年間10~20c田 に もお よぶ地盤沈下が発生 した登西大 阪については,1959年 より1966年 までの4次 にわた る工業用水法の適用 と,1962年 以降の建築物用地下 水の採取規触 こよって,ま た 東 大 阪については, 1966年 の第5次 工業用水法の適用によって,と もに 地盤沈下はほぼ完全に俸止した.沈 下速度の鈍化傾 向は,西 大阪では1963~64年,東 大阪では,1968年 以降に現われ,規 捌の効果が顕著である.岩 津ほか (1960),鶴 巻(1967,1977)は,両 地域の地 盤 沈 下進行時の地下水水質について報告 している. 大阪府の南部に当る泉州地域では,1968年 に地下 水利用適正化調査が実施された(通 産省企業局 ・大 阪通産局,1969).こ の 地域の沖積層は,東 ・西大 阪地域の ように分布が広範囲ではな く,そ の層厚 も 厚 くはないので,地 盤沈下は急速に進行す ることは ないだろ うとの予測のもとに,こ の調査がとりあげ られた ようであるeと ころが,1969年 以降になって 局部的に年間数c.の 沈下が認め られ,1969~74年 の 間の累積沈下量は最大で40CPtこ達 し,10c阻 以上の沈 下地区薗積は34km2に 達した.沈 下の著しい地区は, 泉大津市か ら貝塚市にいたる臨海部であ り,こ の地 区は玉975年1月 から工業用水採取規糊区域(大 阪府 公害防止条例に よる)と 定め られ,1978年1月 か ら 工業用水法による指定地域 となった. 泉州地域を対象 とす ,前 出 の適正化調査の一部をなす ,大 阪府 (1972)が 実施 している.両 者 とも調査範囲が広 く, 測点の密度が粗いきらいがある.本 研究では,泉 大 津市か ら泉佐野市にいたる地域を対象 とし,幾 つか の深井戸密集地区を重点的にとりあげた.こ れによ って,被 圧帯水層の地下水の水質の地区 ・深度によ る特徴を明らかに した上で,大 阪府(1972)の 資料 を援用 して水質分布を明らかにするとともに,そ れ と地盤沈下量分布 との関遠{生を検討した.大 阪地盤 沈下地帯の地下水水質の特徴は,主 として,東 ・西 大阪地域の資料によって,す でに鶴巻(1972)が 報 告 している.西 大阪地域には塩水侵入の著 しい地下 水が分布 し,東 大阪地域には化石水的な高塩化物地 下水が分布 しているので,そ の特徴は普遍性に欠け ているか も知れない.泉 州地域においても塩水化地 下水は存在す るが,こ れを除外しても淡水の水質資 料は豊冨に収集可能であ り,ま た化石水 的 地 下 水 は,全 く存在しない.","PeriodicalId":422881,"journal":{"name":"THE JOURNAL OF THE JAPANESE ASSOCIATION OF GROUNDWATER HYDROLOGY","volume":"93 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"1900-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"1","resultStr":"{\"title\":\"Water Quality of Artesian Groundwater in Senshu Area, South of Osaka: with Special Refence to the Relationship between Water Quality and Land Subsidence@@@とくに水質と地盤沈下量との関連性\",\"authors\":\"Michiji Tsurumaki\",\"doi\":\"10.5917/JAGH1959.24.103\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"The land subsidence due to groundwater pumping in Senshu area, southern part of Osaka pref., began in 1969 and the highest value amounted to 40 cm for five years. The principal aguifers in this area are the sand and gravel strata in the Plio-Pleistocene Osaka Group, The water quality of 53 wells was examined during 1977 to 1980, and the chemical charactreistics were investigated. Among the main constieuents in water the alkalinity appeared to be related with the amount of subsidence. Using another data of 50 wells examined in 1972 besides the above data, the spatial distribution of alkalinity was checked more closely. The area pumping the water of high alkalinity coincides with the severe subsidence area. The alkainity also related with both of the concentrations of ammonium nitrogen and phosphate phosphorus. It is said, accordingy, that the groundwater in this subsidence area is characterized by high concentrations of C, N and P compounds. <BR> The reasons for this relationship are that (1) the younger marine clayey strata which serve as a con fining beds are rich in organic matter, (2) in an anaerobic condition the organic matter produces bicarbonate, ammonium and phosphate, and (3) heavy pumping leads to lowering piezometric head which results in squeezing out the pore water with high concentrations of C, N and P compounds through the confining beds. *日本地下水学会昭和53年度春季講演会および1981年度 日本地球化学会年会において一部を発表した. 紳大阪市立大学理学部 Faculty of Science, Osaka City University, Osaka, Japan. 1ま え が き 大阪府下の西大阪および東大阪地域では,か つて 年間10~20c田 に もお よぶ地盤沈下が発生 した登西大 阪については,1959年 より1966年 までの4次 にわた る工業用水法の適用 と,1962年 以降の建築物用地下 水の採取規触 こよって,ま た 東 大 阪については, 1966年 の第5次 工業用水法の適用によって,と もに 地盤沈下はほぼ完全に俸止した.沈 下速度の鈍化傾 向は,西 大阪では1963~64年,東 大阪では,1968年 以降に現われ,規 捌の効果が顕著である.岩 津ほか (1960),鶴 巻(1967,1977)は,両 地域の地 盤 沈 下進行時の地下水水質について報告 している. 大阪府の南部に当る泉州地域では,1968年 に地下 水利用適正化調査が実施された(通 産省企業局 ・大 阪通産局,1969).こ の 地域の沖積層は,東 ・西大 阪地域の ように分布が広範囲ではな く,そ の層厚 も 厚 くはないので,地 盤沈下は急速に進行す ることは ないだろ うとの予測のもとに,こ の調査がとりあげ られた ようであるeと ころが,1969年 以降になって 局部的に年間数c.の 沈下が認め られ,1969~74年 の 間の累積沈下量は最大で40CPtこ達 し,10c阻 以上の沈 下地区薗積は34km2に 達した.沈 下の著しい地区は, 泉大津市か ら貝塚市にいたる臨海部であ り,こ の地 区は玉975年1月 から工業用水採取規糊区域(大 阪府 公害防止条例に よる)と 定め られ,1978年1月 か ら 工業用水法による指定地域 となった. 泉州地域を対象 とす ,前 出 の適正化調査の一部をなす ,大 阪府 (1972)が 実施 している.両 者 とも調査範囲が広 く, 測点の密度が粗いきらいがある.本 研究では,泉 大 津市か ら泉佐野市にいたる地域を対象 とし,幾 つか の深井戸密集地区を重点的にとりあげた.こ れによ って,被 圧帯水層の地下水の水質の地区 ・深度によ る特徴を明らかに した上で,大 阪府(1972)の 資料 を援用 して水質分布を明らかにするとともに,そ れ と地盤沈下量分布 との関遠{生を検討した.大 阪地盤 沈下地帯の地下水水質の特徴は,主 として,東 ・西 大阪地域の資料によって,す でに鶴巻(1972)が 報 告 している.西 大阪地域には塩水侵入の著 しい地下 水が分布 し,東 大阪地域には化石水的な高塩化物地 下水が分布 しているので,そ の特徴は普遍性に欠け ているか も知れない.泉 州地域においても塩水化地 下水は存在す るが,こ れを除外しても淡水の水質資 料は豊冨に収集可能であ り,ま た化石水 的 地 下 水 は,全 く存在しない.\",\"PeriodicalId\":422881,\"journal\":{\"name\":\"THE JOURNAL OF THE JAPANESE ASSOCIATION OF GROUNDWATER HYDROLOGY\",\"volume\":\"93 1\",\"pages\":\"0\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"1900-01-01\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"1\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"THE JOURNAL OF THE JAPANESE ASSOCIATION OF GROUNDWATER HYDROLOGY\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.5917/JAGH1959.24.103\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"THE JOURNAL OF THE JAPANESE ASSOCIATION OF GROUNDWATER HYDROLOGY","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.5917/JAGH1959.24.103","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
Water Quality of Artesian Groundwater in Senshu Area, South of Osaka: with Special Refence to the Relationship between Water Quality and Land Subsidence@@@とくに水質と地盤沈下量との関連性
The land subsidence due to groundwater pumping in Senshu area, southern part of Osaka pref., began in 1969 and the highest value amounted to 40 cm for five years. The principal aguifers in this area are the sand and gravel strata in the Plio-Pleistocene Osaka Group, The water quality of 53 wells was examined during 1977 to 1980, and the chemical charactreistics were investigated. Among the main constieuents in water the alkalinity appeared to be related with the amount of subsidence. Using another data of 50 wells examined in 1972 besides the above data, the spatial distribution of alkalinity was checked more closely. The area pumping the water of high alkalinity coincides with the severe subsidence area. The alkainity also related with both of the concentrations of ammonium nitrogen and phosphate phosphorus. It is said, accordingy, that the groundwater in this subsidence area is characterized by high concentrations of C, N and P compounds. The reasons for this relationship are that (1) the younger marine clayey strata which serve as a con fining beds are rich in organic matter, (2) in an anaerobic condition the organic matter produces bicarbonate, ammonium and phosphate, and (3) heavy pumping leads to lowering piezometric head which results in squeezing out the pore water with high concentrations of C, N and P compounds through the confining beds. *日本地下水学会昭和53年度春季講演会および1981年度 日本地球化学会年会において一部を発表した. 紳大阪市立大学理学部 Faculty of Science, Osaka City University, Osaka, Japan. 1ま え が き 大阪府下の西大阪および東大阪地域では,か つて 年間10~20c田 に もお よぶ地盤沈下が発生 した登西大 阪については,1959年 より1966年 までの4次 にわた る工業用水法の適用 と,1962年 以降の建築物用地下 水の採取規触 こよって,ま た 東 大 阪については, 1966年 の第5次 工業用水法の適用によって,と もに 地盤沈下はほぼ完全に俸止した.沈 下速度の鈍化傾 向は,西 大阪では1963~64年,東 大阪では,1968年 以降に現われ,規 捌の効果が顕著である.岩 津ほか (1960),鶴 巻(1967,1977)は,両 地域の地 盤 沈 下進行時の地下水水質について報告 している. 大阪府の南部に当る泉州地域では,1968年 に地下 水利用適正化調査が実施された(通 産省企業局 ・大 阪通産局,1969).こ の 地域の沖積層は,東 ・西大 阪地域の ように分布が広範囲ではな く,そ の層厚 も 厚 くはないので,地 盤沈下は急速に進行す ることは ないだろ うとの予測のもとに,こ の調査がとりあげ られた ようであるeと ころが,1969年 以降になって 局部的に年間数c.の 沈下が認め られ,1969~74年 の 間の累積沈下量は最大で40CPtこ達 し,10c阻 以上の沈 下地区薗積は34km2に 達した.沈 下の著しい地区は, 泉大津市か ら貝塚市にいたる臨海部であ り,こ の地 区は玉975年1月 から工業用水採取規糊区域(大 阪府 公害防止条例に よる)と 定め られ,1978年1月 か ら 工業用水法による指定地域 となった. 泉州地域を対象 とす ,前 出 の適正化調査の一部をなす ,大 阪府 (1972)が 実施 している.両 者 とも調査範囲が広 く, 測点の密度が粗いきらいがある.本 研究では,泉 大 津市か ら泉佐野市にいたる地域を対象 とし,幾 つか の深井戸密集地区を重点的にとりあげた.こ れによ って,被 圧帯水層の地下水の水質の地区 ・深度によ る特徴を明らかに した上で,大 阪府(1972)の 資料 を援用 して水質分布を明らかにするとともに,そ れ と地盤沈下量分布 との関遠{生を検討した.大 阪地盤 沈下地帯の地下水水質の特徴は,主 として,東 ・西 大阪地域の資料によって,す でに鶴巻(1972)が 報 告 している.西 大阪地域には塩水侵入の著 しい地下 水が分布 し,東 大阪地域には化石水的な高塩化物地 下水が分布 しているので,そ の特徴は普遍性に欠け ているか も知れない.泉 州地域においても塩水化地 下水は存在す るが,こ れを除外しても淡水の水質資 料は豊冨に収集可能であ り,ま た化石水 的 地 下 水 は,全 く存在しない.