Photoadducts of Olefins with, Testosterone Acetate

Abstract

高圧水銀ランプ照射のもとにテストステロンアセテートと12種のオレフィンとの反応を行ない,シクロブタノ[1',2':4,5]アンドロスタン-3-オン誘導体を合成した。本反応では常に4α-cis付加体が得られる。しかし,オレフィンとしてビあるいはアクリロニトリルを用いた場合には通常の付加体(4α-cis体)のほかに4α-trans付加体が生成した。これらの4α-体は定量的に熱または塩基性触媒のもとで容易に4β-cis体に異性化した。表1にtrans体およびcis体の特性を示す分光学的データを記載し,表3にそれらの興味ある知見をまとめた。4α-trans体に1molの臭素を作用させると4α-モノブロモシクロブタノケトステロイドが得られる。一方,4α-cisおよび4β-cis体に同様の反応を行なうと2β-および2α-プロム体がそれぞれ得られる。このように臭素化による方向性が異なることは興味がある。幼若去勢ラットにテストステロンプロピオネートを投与し,その精のう,腹部および背部前立腺の重量の変化を指標として,抗男性ホルモン作用を調べた結果,N-アリルアセトアミドおよびN,N'-ジメチルアリルアミンの付加体は抗男性ホルモン作用を示した。