Takashi Abe, K. Koizumi, Kan Kobayashi
{"title":"Comparative Morphological Studies on the Lingual Papillae and Their Connective Tissue Cores in the Swamp Wallaby, Wallabia bicolar","authors":"Takashi Abe, K. Koizumi, Kan Kobayashi","doi":"10.2330/JORALBIOSCI1965.43.292","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"有袋類で, カンガルー科に属するオグロワラビーの舌乳頭の微細形態について, 動物種の食性と関連づけて比較解剖学的に検討した。舌背の後半部には草食性動物に特徴的な左右の臼歯間にわずかな舌隆起部 (臼歯間隆起部) が存在した。舌背に密集する糸状乳頭は1本の槍先状の主突起と複数の細長い副突起からなっていた。舌隆起部の糸状乳頭は副突起の数が多く, 長いものが多かった。糸状乳頭の結合織芯は板状の主突起と6-10本の小杆状突起からなり, それらの形状は舌背の部位により多少異なるが, 基本的には肉食性のイヌ, ネコのものに似た船の舳先状を呈していた。茸状乳頭は舌背の舌縁部に散在し, 舌尖下面の舌縁に特に多く認められた。これらの結合織芯は円柱状の細長いものから太めのものまであり, 円柱の頂上には1-数個の味蕾をのせる小陥凹が存在していた。有郭乳頭は舌後方に3個存在し, 中央乳頭の先端がわずかに表面に出る閉鎖型で, 中央乳頭の溝側上皮内に多数の味蕾が並んでいた。舌後方の外側縁に葉状乳頭はなく, 数本の円錐乳頭様構造物である外側器官が並んでいたが, 味蕾は欠如していた。舌根部の表面は乳頭を欠如し平坦であった。茸状乳頭の結合織芯の形状と3個の有郭乳頭や突出した外側器官の存在などはツパイと基本的に近似していた。糸状乳頭の外形や結合織芯の形態, それに円錐状の外側器官をもつといった所見から, オグロワラビーはイヌ, ネコなど肉食性の祖先の特徴を保持しながら, オーストラリア大陸でツパイに近縁の草食性の動物へと進化を遂げた動物であることが推測された。","PeriodicalId":14631,"journal":{"name":"Japanese Journal of Oral Biology","volume":"103 1","pages":"292-309"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2001-06-20","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"10","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Japanese Journal of Oral Biology","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.2330/JORALBIOSCI1965.43.292","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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