M. Oda
{"title":"Thermodynamic Analysis of Conformational Change Important to Protein Function","authors":"M. Oda","doi":"10.11311/JSCTA1974.34.31","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"生命科学分野では,タンパク質をはじめとする生体分子 の構造と機能との相関解明が重要な研究課題となっている。 その中でも特に溶液中で機能するタンパク質の構造的揺ら ぎの解明は重要で,構造から機能を知る上で必要不可欠な 知見である。タンパク質構造におけるダイナミクスの寄与 は,X線結晶解析をはじめとする既存の立体構造解析手法 では捉えにくい情報で,熱力学解析や速度論解析などを併 用し,解明する必要がある。特に熱力学解析で得られるエ ントロピー量は,タンパク質の柔らかさや水和の程度を示 す極めて重要な知見となりえる。筆者らはこれまで,DNA 結合タンパク質,抗体,主要組織適合遺伝子複合体(MHC) タンパク質,酵素など,種々のタンパク質を対象として, 多角的にタンパク質の構造機能解析を行ってきた。NMRや X線結晶解析による立体構造解析,示差走査型熱量計 (DSC)や等温滴定型熱量計(ITC)による熱力学解析,ス トップトフロー法や表面プラズモン共鳴バイオセンサーに よる速度論解析などにより,タンパク質が相手を如何に認 識し機能するか,その時にタンパク質の柔らかさが如何に 関与するか,といった問題の解明を目指している。本解説 では,タンパク質の立体構造変化がその分子認識に重要な 役割を果たしている例を取り上げ,熱力学解析結果とその 意義に焦点をあてて紹介したい。","PeriodicalId":19096,"journal":{"name":"Netsu Sokutei","volume":"8 1","pages":"31-36"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2007-01-25","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Netsu Sokutei","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.11311/JSCTA1974.34.31","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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