M. Shiga
{"title":"Ab initio Path Integral Method: A First-principles Approach for Quantum Many-body Systems","authors":"M. Shiga","doi":"10.3175/molsci.5.a0038","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"分子シミュレーションは,複雑な多原子系の微視的な運 動を解析することのできる大変有力な手段である。しかし ながら,これまでの分子シミュレーションの主流である古 典動力学・古典統計力学には限界もある。例えば,水素な ど,質量の小さい元素には,零点振動やトンネル効果など, 量子性に由来する興味深いふるまいが見られ,それが化学 的・物理的性質に影響が及ぼすことがあるが,こうした場 合には対応していない。これに伴い,原子核の量子性を考 慮した分子シミュレーション手法に関する研究が近年活発 になっている。まだ歴史が浅いゆえに未熟な部分も多いが, これから発展が期待される分野とも言えるであろう。 本稿では,原子の量子統計的ゆらぎを取り入れた分子シ ミュレーションの一つである経路積分分子動力学法につい て解説する。これは,有限温度における複雑な量子多体系 を数値的に厳密に取り扱えるという,他の方法にはない特 徴がある。また,電子状態計算と統合したab initio経路積 分法を用いて,原子核と電子からなる系を丸ごと第一原理 的に扱った計算が可能となる。ここでは,その応用として, プロトン化/脱プロトン化された水クラスターとその重水 素置換体の計算結果を紹介し,そこで明らかになった,強 い水素結合系における量子的特性について論じる。","PeriodicalId":19105,"journal":{"name":"Molecular Science","volume":"54 1","pages":""},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2011-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Molecular Science","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.3175/molsci.5.a0038","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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