{"title":"Development of Multifunction in Metal Complexes Based on Intermolecular Interactions","authors":"S. Hayami","doi":"10.4019/bjscc.75.28","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"生体内においてタンパク質は活性中心の周囲にアミノ 酸の連結によるソフトな場を形成しており,この空間が 特異的な触媒機能の発現の鍵となっている 。また,液 晶材料やゲル材料あるいは薄膜材においても,その物性 発現において構築素子が形成するソフトな場が重要であ る 。さらにデンドリマーにおいては,赤外吸収によ るエネルギー変換のためのソフトな場が必要不可欠であ る 。ポリマーや液晶材料に代表されるソフトマテリア ルは,分子間にファンデルワールス力や疎水性相互作用 などが働いて形成されており,その名の通り「やわらか い物質」である。運動エネルギーの観点からみて,「や わらかい」という性質は分子運動エネルギー kBTに近く, 「固い」という性質は kBTよりもはるかに小さいと特徴 づけることができる。つまり,ソフトマテリアルは外部 刺激に対して大きな内部自由度を持ち,ゆっくりとした 応答を示す。これまで有機物を中心に展開されてきた柔 軟構造に立脚した機能発現や材料設計に対比させてみる と,元来有する高い電子的自由度に加え柔軟構造部位を 併せ持つソフトマテリアルとしての金属錯体は,両者の 共存効果や協奏効果および同期効果のため,これまでに ない新奇な諸現象を発現することが期待される。したが って,長鎖アルキル鎖を導入したソフトマテリアルとし ての金属錯体を合成し,柔軟な場を構築することにより, 従来まで発現できなかった金属錯体の機能を発現できる と考えられ,その創製研究は非常に興味深い。","PeriodicalId":72479,"journal":{"name":"Bulletin of Japan Society of Coordination Chemistry","volume":" ","pages":""},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2020-05-31","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Bulletin of Japan Society of Coordination Chemistry","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.4019/bjscc.75.28","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}