船舶を活用した災害医療〜乗船における課題と今後の展望〜(Challenges and prospects for ship–based medical services in disaster: in relation to boarding ships)

野口 航, 土谷 飛鳥, 青木 弘道, 守田 誠司, 中川 儀英, 山田 吉彦
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Abstract

【目的】阪神・淡路大震災以降の大規模災害の経験から,国は「災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備の推進に関する法律」を整備し,医療支援に船舶を活用する方針を示した。一方,災害時には大型船舶が港へ着岸できない可能性が高いため,乗船の課題がある。そこで,実証訓練「被災者を陸から小型船舶を使用して沖合に停泊する大型船舶へ移乗させる」を行い,船から船へ「海上」で安全に移乗できる被災者要件や船舶課題を抽出し,災害時の船舶活用を検討した。【対象】模擬被災者計38名(軽症・中等症患者,避難者)に対して,小型船舶が停泊可能な桟橋前の海岸で,乗船前トリアージを行った。続いて海上で小型船舶から大型海洋調査研修船へ移乗する訓練を行った。【結果】歩行可能である患者や要配慮者が選定されれば,小型船舶から大型船舶へ海上乗船できることが判明した。天候による船舶間距離や波高変化が接舷と移乗タイミングに大きく影響した。関係者アンケートでは,乗船トリアージと船舶間の移乗における安全性確保の重要性が指摘された。【結語】災害時に小型船舶から大型船舶へ移乗する場合を想定し,船舶の安全設備の充実,乗船可能な患者や要配慮者要件の整理,事前訓練による安全性の確認と関係者の連携を行うことで,船舶活用の機会が広がることが期待される。
船舶を活用した災害醫療〜乗船における課題と今後の展望〜(災害中的船舶醫療服務的挑戰與展望:與登船有關的問題)
目的:根据阪神淡路大地震以来发生的大规模灾害的经验,日本政府制定了《关于促进灾害时利用船舶的医疗供给制度的法律》等,并表明了利用船舶进行医疗援助的政策。但是,在发生灾害时,大型船舶极有可能无法在港口靠岸,因此存在登船问题。本项目是利用小型船舶将陆地上的受灾者转移到近海停泊的大型船舶上的实证演习,目的是明确可在 "海上 "从一艘船舶安全转移到另一艘船舶的受灾者的要求和船舶所面临的挑战,并研究灾害发生时船舶的使用问题。共有 38 名模拟灾民(轻度或中度疾病患者和疏散人员)在小型船只停靠的码头前的海滩上登船前进行了分流。然后训练病人从小型船只转移到海上的大型海洋研究船。结果:研究发现,如果选择能够行走的病人和需要特殊护理的病人,就可以在海上从小型船只转移到大型船只。天气条件导致的船与船之间的距离和浪高变化对靠泊和转移时间有很大影响。利益相关者问卷调查显示,确保登船分流和船与船之间转运的安全非常重要。结论:假设在发生灾难时从小型船只转移到大型船只,通过改进船上的安全设备、组织对可以登船的病人和需要特别护理的病人的要求、通过提前培训和有关各方的合作确认安全,预计将扩大使用船只的机会。
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