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Abstract
2012年に日本外科学会と日本解剖学会から臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドラインが公表され本邦でもご遺体を用いた手術手技研修のcadaver surgical training:CSTが可能となった。従来の旧式手術教育システムはon the job training:OnJTとよばれる。これは従来の外科医の標準的手術手技獲得の方法であり,その名の通り,指導医の指導の下に,手術室で実臨床で,実際の患者を手術しながら術式を学ぶ手法である。一方,新しい手術教育システムのひとつがCSTである。CSTでは術式に沿った解剖学を学ぶことができ,手術教育は安全に施行できる。何らかの失敗をしてもやり直しができるし,その際のトラブルシューティング技法も学ぶことができる。もちろん,OnJTやCSTのまえにはoff the job training:OffJTが存在する。すなわち術前カンファレンスでの画像診断や内視鏡所見の評価,病理組織学診断の解釈や,術式の選択とその手順の学習,手術用解剖学の習得などである。OffJTにバーチャル・リアリティ(virtual reality:VR)やミクスド・リアリティ(mixed reality:MR)などの最先端技術を用いる試みもある。OnJTとCSTはOffJTを前提に成り立っている。医療安全の見地からは,CSTは医療事故の減少につながる可能性があり,国民福祉へ貢献できる。医療経済の観点では,手術室の回転率の改善,術中術後合併症の減少,退院までの在院日数の短縮,に貢献しうる。
期刊介绍:
The scientific journal Journal of Otolaryngology of Japan is included in the Scopus database. Based on 2013, SJR is 0.133. Publisher country is JP. The main subject areas of published articles are Otorhinolaryngology.