飼育下のオオアリクイにおける異なる新奇物が行動に及ぼす影響

Yu NAKAYAMA, Kozue OGIMI, Akihito TANAAMI, Daisuke KOHARI
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Abstract

本研究は飼育下のオオアリクイ(Myrmecophagga tridactyla)に対して新奇物(novel object)を3種提示し,行動に及ぼす影響と効果の持続期間の違いを明らかにすることを目的とした。2009~2010年に3園のオオアリクイ5頭を対象とした。新奇物3種(横木, 土山, ホース)を提示して5〜7日間の行動動観察を行った。新奇物に対する反応(行動様式・反応時間)を連続サンプリング,個体維持行動(移動・探査・休息・その他)を1分間隔の瞬間サンプリング,土山とホースは常同行動も1分間隔の1-0サンプリングにて記録した。その結果,新奇物に対する行動様式は,土山とホースにおいて特異的な行動(土山:擦り付け, 掘る, 警戒,威嚇,ホース:遊戯)がみられた。反応時間は新奇物間で長さが異なった(横木≧ホース≧土山)。また,新奇物への反応時間はどの新奇物も提示後1~3日目にピーク日を迎え,5~7日にピーク日の-70%以下となった。維持行動のうち,主たる行動の移動と探査行動は,新奇物の種類の影響がなかった。また,常同行動への影響は個体ごとに異なっていたが,コントロールよりも低い日数の割合の平均は,土山:78.8±0.3%,ホース:82.1±0.2%であった。以上のことから,オオアリクイへの新奇物提示は,新奇物の種類により反応行動の様式が異なるが,どの種類でも1-3日を過ぎると反応時間が低下する可能性が示唆された。一方で,反応時間が低下した後も少なくとも7日間は新奇物の存在自体が環境刺激となり常同行動が減少する可能性が考えられた。
饲养的大食蚁兽中不同的新奇物对行为的影响
本研究对饲养下的大食蚁兽(Myrmecophagga tridactyla)提出了3种新奇物(novel object),目的是明确对行为产生的影响和效果的持续时间的差异。2009 ~ 2010年以三园的5只大食蚁兽为对象。出示3种新奇物(横木、土山、软管),进行了5 ~ 7天的行动观察。连续采样对新奇事物的反应(行为方式、反应时间),以1分钟为间隔的瞬间采样对个体维持行为(移动、探测、休息、其他),以1分钟为间隔的1-0采样对土山和软管的常同行为进行了记录。结果显示,在对待新奇事物的行为方式上,在土山和软管上出现了特异性的行为(土山:蹭、挖、警戒、威吓,软管:游戏)。反应时间新奇物之间长度不同(横木≥软管≥土山)。另外,任何新奇事物的反应时间都在提示后的第1 ~ 3天迎来高峰,5 ~ 7日为高峰日的- 70%以下。在维持行动中,主要行动的移动和探测行动没有受到新奇物体种类的影响。另外,虽然每个个体对常同行为的影响不同,但低于控制天数的平均比例为土山:78.8±0.3%,软管:82.1±0.2%。综上所述,向大食蚁兽提示新奇物时,根据新奇物的种类不同,反应行为的方式也不同,但无论是哪种,超过1-3天,反应时间就有可能下降。另一方面,在反应时间降低后的至少7天内,新奇物的存在本身会对环境产生刺激,从而导致正常行为减少。
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