{"title":"Design and Modeling","authors":"Takeo Kato","doi":"10.5057/kansei.17.4_180","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"デザインは,原因から結果を導く順問題ではなく,結果 から原因を導く逆問題を扱う行為であるため,難しいとされ ている[1].順問題と逆問題のいくつかの例を図1に示す. 図1(c)の椅子のデザインにおいて,デザイナは,目標であ る「座り心地の良さ」という結果を達成するための「椅子の 仕様」という原因系を探索する.ここで,デザイナが座り 心地と椅子に関するあらゆる(無限の)知識を持っていれば, ただ1つの「椅子の仕様」を演繹的に導くことができるかも しれない.しかし,現実では,デザイナが有する知識は有限 であることに加えて,コストや材料などの,目標に対して トレードオフの関係にある制約条件もある.このため,デザ イナは,様々な思考を繰り返し行いながら,適切なデザイン 解を探索することとなる. 近年,消費者の価値は,モノの充足から心の充足へと変化 しており,高機能化・多機能化したモノだけでなく,モノや サービスによる新しい価値や経験(コト)をデザインするこ とが必要とされている[2].そのために,上述したような, デザイナの問題解決行動や思考プロセス(以下,デザイン 思考と称する)が様々な分野において注目されており,その ためのツール開発や,それを取り入れた教育が盛んに行われ ている[3].近年よく耳にする「デザイン思考」という言葉は, ケリーにより創設された米国パロアルトにある IDEOという デザインスタジオが発祥であり,Stanford大学のd.schoolを はじめ,東京大学の i.school,京都大学デザインスクール, 慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究科など, 多数の教育・研究機関で先端的な取り組みが行われている. このデザイン思考という語句は,古くはサイモンやロウによ り言及されている[4].また,1962年の第1回デザイン会議 (Conference on Systematic and Intuitive Methods in Engineering, Industrial Design, Architecture and Communication)において","PeriodicalId":230482,"journal":{"name":"Journal of Japan Society of Kansei Engineering","volume":"39 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2019-08-07","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"33","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Journal of Japan Society of Kansei Engineering","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.5057/kansei.17.4_180","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
设计不是从原因引导结果的顺序问题,而是从结果引导原因的逆向问题,因此很难[1]。顺问题和逆问题的几个例子如图1所示。在图1(c)的椅子设计中,设计师为了实现“舒适的坐姿”这一目标而设计了“椅子的探索“规格”这一原因系。在这里,如果设计师拥有关于坐感和椅子的所有(无限的)知识,也许可以演绎地推导出一种“椅子的样式”。但是,在现实中,设计师所拥有的知识是有限的,并且对于成本、材料等目标由于存在相互权衡的制约条件,因此,设计人员需要反复进行各种思考,探索合适的设计方案。近年来,消费者的价值从物质的满足转变为心灵的满足,不仅要设计高功能化、多功能化的产品,还要设计产品和服务带来的新价值和新体验。和是必要的[2].因此,如上所述,设计师的解决问题的行为和思考过程(以下称为设计思考)在各个领域都受到关注,为此开发的工具和引进这些工具的教育也很盛行[3]。近年来经常听到的“设计思维”这个词起源于由凯利创建的位于美国帕洛阿尔托的IDEO设计工作室,包括Stanford大学的d.s school、东京大学的i.s school、京都大学设计学院、庆应义塾大学系统设计·管理研究科等,很多教育和研究机构都在进行尖端的研究。设计思维这个词,最早由西蒙和罗提到[4].另外,1962年第1届设计会议(Conference工业设计系统与工程设计系统在Architecture and Communication中