Brett L. Worly, J. R. Butler
{"title":"Amniotic Fluid Embolism","authors":"Brett L. Worly, J. R. Butler","doi":"10.1097/01.pgo.0000415327.38321.7a","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"羊水塞栓症は,羊水が母体血中へ流入することによって引き起こされる「肺毛細管の閉 塞を原因とする肺高血圧症と,それによる呼吸循環障害」を病態とする疾患である.本症 の発症頻度は以前,約2万から8万分娩に対し1例程度と考えられていが,最近ではニアミ ス例が多いこと,後述する分娩後のDIC・弛緩出血に羊水塞栓症が含まれる例があるこ とより,実際の頻度はもっと高いことが指摘されている.死亡率は以前60~80%と非常 に高率であったが最近の報告では20~40%との報告もある.本邦で平成元年から16年ま での間に193例が妊産婦死亡で剖検されたが,その中で羊水塞栓症が24.3%と第1位で あった.近年,羊水塞栓症は妊婦が死亡するもっとも頻度の高い疾患と言えよう. AFE発症のリスクとして羊水成分が母体血中に流入しやすい状況が考えられる.具体 的な因子としては羊水穿刺・人工羊水注入・多胎・分娩時裂傷・瘢痕子宮・分娩誘発・帝 王切開・前置胎盤などが挙げられる.2010年の英国の報告では分娩誘発がオッズ比3.86, 多胎妊娠10.9,帝王切開8.84と高くなっている.浜松医科大学は日本産婦人科医会の委 託を受けて羊水塞栓症の血清診断事業を行っているが,2010年に臨床的羊水塞栓症と診 断された中で誘発分娩または帝王切開がAFE全例の6割強であった.","PeriodicalId":208056,"journal":{"name":"Postgraduate Obstetrics & Gynecology","volume":"11 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2012-06-30","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Postgraduate Obstetrics & Gynecology","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.1097/01.pgo.0000415327.38321.7a","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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