{"title":"Studies on Clinical Pathology of Acute Hepatitis in Fattening Japanese Black Cattle.","authors":"D. Watanabe","doi":"10.4190/JJVC1990.16.71","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"黒毛和種肥育牛に突然発生する食欲不振・発熱・下痢を主徴とする原因不明の疾患についての発生状況、病理および血液生化学的特徴について検討した。発生は散発的であり、伝染性はなく、肥育後期に集中してみられた。ホルスタイン種の肥育牛には発生がみられなかった。病理所見では、肝の腫大と小葉中心性または中間帯において好中球の浸潤を伴った肝細胞の広範な壊死がみられた。血液検査では、初期に白血球数、好中球数および血清α、β―グロブリンの増加がみられた。治癒例では、血清AST活性値の著増、ビリルビン、胆汁酸濃度の中等度の増加が初期にみられたが症状の改善に伴い比較的速やかに正常に復した。血清GGT活性値は経過中軽度ないし中等度の増加が持続してみられた。回復不能例ではこれらの肝機能検査の回復が悪かった。BSP-T1/2は初期に延長したが、予後の悪かった例を除き回復に伴い正常に復した。これらの所見は急性肝炎にみられる所見であり、本症は急性肝炎であると診断された。発症原因に関して、病理組織学的所見がエンドトキシンの投与により作出される肝障害に類似していたこと、健常牛に比較して血漿エンドトキシン(Et)値の有意な増加がみられたこと、ならびにステロイドが著効することなどから、濃厚飼料の多給に伴うルーメンEtの増加とそれによる肝の直接的およびアレルギー反応性の障害であることが示唆された。また、発症牛はすべて黒毛和種の肥育牛であることから、遺伝的素質や独自の飼育法に関連したビタミンEとβ―カロチンの欠乏などのフリーラジカルスカベンジャーの減少も発症誘因として考えられた。","PeriodicalId":293284,"journal":{"name":"The Tohoku Journal Veterinary Clinics","volume":"16 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"1900-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"3","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"The Tohoku Journal Veterinary Clinics","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.4190/JJVC1990.16.71","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}