Characterization and Clinical Studies on Serum .ALPHA.1-Acid Glycoprotein in Bovine.

H. Itoh
{"title":"Characterization and Clinical Studies on Serum .ALPHA.1-Acid Glycoprotein in Bovine.","authors":"H. Itoh","doi":"10.4190/JJVC1990.19.44","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"急性期蛋白(APP)の一つであるウシa1-AGは、岩田らによってヒトと同様なAPPであることが確認されたが、その生理的変動および生化学的性状ならびに病態との関連性について言及した報告は少ない。著者らは、ウシa1-AGを単離精製して、抗ウシa1-AGを作成し一元放射免疫拡散(SRID)法による測定法を確立し、その生化学的性状および病態との関連性ならびに生物学的機能を検索し、以下の成績を得た。1.ウシα1-AGは、健康なウシ血清から硫安分画、イオン交換クロマトグラフィーおよびゲル濾過法により単離精製した。精製ウシα1-AGの分子量は約42,000で、等電点は3.2~3.7と極めて低くα1-グロブリン領域に泳動された。そのアミノ酸構成は、ヒトや他の動物のそれとほぼ一致していた。総糖含量は26.6%と多く中でもシアル酸が8.3%と高かった。ウシ血清α1-AGの定量はSRID法によって実施し、検量線から50~1,500μg/mlの範囲において直線性が確認され、これをウシα1-AG値の有効測定範囲とした。2.ウシ血清α1-AG値は、胎子の成長に伴い増加し、出生時の平均値±標準偏差値は1,368±206μg/ml(n=20)と最高値を示した。しかし、血清α1-AG値はその後徐々に減少し生後約20日齢で成牛と同様な値を示した。健康な成牛の血清α1-AG値は、284±95.9μg/ml(n=147)で、検査された検体数の95%が450μg/ml以下を示したので正常範囲の上限値を450μg/mlとした。3.胎子、新生子および成牛の血清α1-AGを等電点電気泳動法とコンカナバリン(ConA)を含んだ交差親和性免疫電気泳動法でそれぞれの性状を検索した。等電点電気泳動法による胎子および出生直後の初乳未摂取子牛の血清α1-AGは、酸性側の等電点領域に成牛では検出されない数本の蛋白バンドとして認められた。交差親和性免疫電気泳動法では、ConAに親和性のない分画が観察された。しかし、これらの性状は、加齢と共に変化しその値は成牛に近似した。4.ウシ白血病(BL牛)および各種疾患牛の血清α1-AG値の動態を検討した。等電点電気泳動法の分析では、BLや炎症性疾患牛は健康牛に比べて酸性側領域(等電点3.2~4.0)の蛋白バンドが増量していた。各種疾患牛の血清a1-AG値は、外傷性心膜炎やウシウイルス性下痢症などの強い炎症例で増加し、とくに病態が重篤な例において顕著だった。他の消化器疾患などの非炎症例では増加が認められなかった。5.炎症性疾患牛と開腹手術を実施したウシ血清α1-AG濃度を経時的に観察した。症状が軽度な群の血清α1-AG値は、症状の悪化した群に比べて変動が少なかった。また、観察期間中に症状が悪化したため廃用または剖検に供された例では、血清α1-AG値が著明に上昇した。開腹手術例の血清α1-AG値は、術後、一過性に上昇したが、その後症状の回復に伴って下降し、術前の値に回復した。術後、腹膜炎を併発し剖検された例では、観察期間中高値を持続した。6.免疫組織染色法により肝細胞のα1-AG抗原陽性反応を検索した。健康な胎子および新生子牛は、いずれも肝細胞の細胞質に陽性反応を認め、その染色度合は血清中のα1-AG濃度に依存した。また、肝膿瘍やウシ白血病牛では、膿瘍や腫瘍の近接部で最も染色度が強かった。7.ウシリンパ球幼若化反応系にフィトヘマグルチニン(PHA)、コンカナバリン(Con A)およびポークウイドマイトジェン(PWM)を加え、同時に精製α1-AGと被検牛血清をそれぞれ添加して、それによってリンパ球幼若化がどの程度抑制されるかを調べた。その結果、ウシ精製α1-AGおよびウシ白血球の血清添加時のリンパ球幼若化反応は、各マイトージェンにおいて、α1-AG濃度に比例した抑制作用を示した。8.実験的に作製された肝膿瘍牛における血清α1-AG値の変動および肝膿瘍発症時に上昇する血清α1-AGのリンパ球幼若化反応に対する抑制作用を検索した。第一胃静脈からF.necrophorumを注入後、血清α1-AG値は急激に上昇し、重症牛ほどその値は高く長期間持続した。発症牛血清のα1-AG濃度が高い値を示している期間は、リンパ球幼若化は抑制され、正常範囲内に戻るとその抑制は解除された。また、肝膿瘍牛から精製されたα1-AGは、すべてのマイトージェン(PHA,Con A,PWM)刺激によるリンパ球幼若化に対して抑制作用を示し、その抑制効果はα1-AG濃度に依存することが明らかとなった。","PeriodicalId":293284,"journal":{"name":"The Tohoku Journal Veterinary Clinics","volume":"83 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"1900-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"The Tohoku Journal Veterinary Clinics","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.4190/JJVC1990.19.44","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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Abstract

急性期蛋白(APP)の一つであるウシa1-AGは、岩田らによってヒトと同様なAPPであることが確認されたが、その生理的変動および生化学的性状ならびに病態との関連性について言及した報告は少ない。著者らは、ウシa1-AGを単離精製して、抗ウシa1-AGを作成し一元放射免疫拡散(SRID)法による測定法を確立し、その生化学的性状および病態との関連性ならびに生物学的機能を検索し、以下の成績を得た。1.ウシα1-AGは、健康なウシ血清から硫安分画、イオン交換クロマトグラフィーおよびゲル濾過法により単離精製した。精製ウシα1-AGの分子量は約42,000で、等電点は3.2~3.7と極めて低くα1-グロブリン領域に泳動された。そのアミノ酸構成は、ヒトや他の動物のそれとほぼ一致していた。総糖含量は26.6%と多く中でもシアル酸が8.3%と高かった。ウシ血清α1-AGの定量はSRID法によって実施し、検量線から50~1,500μg/mlの範囲において直線性が確認され、これをウシα1-AG値の有効測定範囲とした。2.ウシ血清α1-AG値は、胎子の成長に伴い増加し、出生時の平均値±標準偏差値は1,368±206μg/ml(n=20)と最高値を示した。しかし、血清α1-AG値はその後徐々に減少し生後約20日齢で成牛と同様な値を示した。健康な成牛の血清α1-AG値は、284±95.9μg/ml(n=147)で、検査された検体数の95%が450μg/ml以下を示したので正常範囲の上限値を450μg/mlとした。3.胎子、新生子および成牛の血清α1-AGを等電点電気泳動法とコンカナバリン(ConA)を含んだ交差親和性免疫電気泳動法でそれぞれの性状を検索した。等電点電気泳動法による胎子および出生直後の初乳未摂取子牛の血清α1-AGは、酸性側の等電点領域に成牛では検出されない数本の蛋白バンドとして認められた。交差親和性免疫電気泳動法では、ConAに親和性のない分画が観察された。しかし、これらの性状は、加齢と共に変化しその値は成牛に近似した。4.ウシ白血病(BL牛)および各種疾患牛の血清α1-AG値の動態を検討した。等電点電気泳動法の分析では、BLや炎症性疾患牛は健康牛に比べて酸性側領域(等電点3.2~4.0)の蛋白バンドが増量していた。各種疾患牛の血清a1-AG値は、外傷性心膜炎やウシウイルス性下痢症などの強い炎症例で増加し、とくに病態が重篤な例において顕著だった。他の消化器疾患などの非炎症例では増加が認められなかった。5.炎症性疾患牛と開腹手術を実施したウシ血清α1-AG濃度を経時的に観察した。症状が軽度な群の血清α1-AG値は、症状の悪化した群に比べて変動が少なかった。また、観察期間中に症状が悪化したため廃用または剖検に供された例では、血清α1-AG値が著明に上昇した。開腹手術例の血清α1-AG値は、術後、一過性に上昇したが、その後症状の回復に伴って下降し、術前の値に回復した。術後、腹膜炎を併発し剖検された例では、観察期間中高値を持続した。6.免疫組織染色法により肝細胞のα1-AG抗原陽性反応を検索した。健康な胎子および新生子牛は、いずれも肝細胞の細胞質に陽性反応を認め、その染色度合は血清中のα1-AG濃度に依存した。また、肝膿瘍やウシ白血病牛では、膿瘍や腫瘍の近接部で最も染色度が強かった。7.ウシリンパ球幼若化反応系にフィトヘマグルチニン(PHA)、コンカナバリン(Con A)およびポークウイドマイトジェン(PWM)を加え、同時に精製α1-AGと被検牛血清をそれぞれ添加して、それによってリンパ球幼若化がどの程度抑制されるかを調べた。その結果、ウシ精製α1-AGおよびウシ白血球の血清添加時のリンパ球幼若化反応は、各マイトージェンにおいて、α1-AG濃度に比例した抑制作用を示した。8.実験的に作製された肝膿瘍牛における血清α1-AG値の変動および肝膿瘍発症時に上昇する血清α1-AGのリンパ球幼若化反応に対する抑制作用を検索した。第一胃静脈からF.necrophorumを注入後、血清α1-AG値は急激に上昇し、重症牛ほどその値は高く長期間持続した。発症牛血清のα1-AG濃度が高い値を示している期間は、リンパ球幼若化は抑制され、正常範囲内に戻るとその抑制は解除された。また、肝膿瘍牛から精製されたα1-AGは、すべてのマイトージェン(PHA,Con A,PWM)刺激によるリンパ球幼若化に対して抑制作用を示し、その抑制効果はα1-AG濃度に依存することが明らかとなった。
血清α的特征及临床研究。牛1-酸性糖蛋白。
作为急性期蛋白(APP)之一的牛a1-AG,由岩田等人确认为与人类相同的APP,但很少有报告提及其与生理变化、生物化学性状以及病理的关联性。作者对牛a1-AG进行分离纯化,生成抗牛a1-AG,建立了一元放射免疫扩散(SRID)法测定方法,检索了其生物性状及其与病理的相关性以及生物学功能,并获得了以下成绩。1.牛α1-AG是从健康牛血清中通过硫酸铵分离、离子交换色谱法及凝胶过滤法分离纯化而成。精制牛α1-AG的分子量约为42,000,等电点为3.2 ~ 3.7,极低地游移到α1-球蛋白区域。其氨基酸构成与人类和其他动物的基本一致。总糖含量为26.6%,其中唾液酸含量高达8.3%。牛血清α1-AG的定量通过SRID法实施,在检量线50 ~ 1,500μg/ml的范围内确认了线性,将此作为牛α1-AG值的有效测定范围。2.牛血清α1-AG值随着胎宝宝的成长而增加,出生时的平均值±标准差值为1,368±206μg/ml(n=20),达到最高值。但是,血清α1-AG值之后逐渐减少,在出生后约20日龄时显示出与成年牛相同的值。健康的成牛血清α1-AG值为284±9 μg/ml(n=147),被检查的样本数的95%在450μg/ml以下,所以将正常范围的上限定为450μg/ml。3.用等电点电泳法和含有ConA的交叉亲和性免疫电泳法分别检索胎子、新生子和成牛的血清α1-AG的性状。使用等电点电泳法的胎子和出生后未摄取初乳的小牛的血清α1-AG,在酸性侧的等电点区域被认定为在成牛中检测不到的数个蛋白带。交叉亲和性免疫电泳法观察到ConA没有亲和性的分支。但是,这些性状随着年龄的增长而变化,其值与成牛近似。4.研究了牛白血病(BL牛)及各种疾病牛的血清α1-AG值动态。等电点电泳法分析发现,BL和炎症性疾病牛的酸性侧区域(等电点3.2 ~ 4.0)的蛋白带比健康牛增加。各种疾病牛的血清a1-AG值在外伤性心包炎和牛病毒性腹泻病等烈性病例中增加,特别是在病情严重的病例中更为显著。其他消化系统疾病等非炎病例没有增加。5.随时间观察患有炎症性疾病的牛和实施开腹手术的牛血清α1-AG浓度。轻度症状组的血清α1-AG值与病情恶化组相比变动较小。另外,观察期间因症状恶化而废用或剖检的病例,血清α1-AG值明显上升。开腹手术例的血清α1-AG值在术后短暂升高,之后随着症状的恢复下降,恢复到术前的水平。术后,剖检并发腹膜炎的病例,观察期间持续高值。6.通过免疫组织染色法检索肝细胞的α1-AG抗原阳性反应。健康胎和新生母牛的干细胞细胞质均呈阳性反应,其染色程度取决于血清中的α1-AG浓度。另外,在肝脓肿和牛白血病牛中,脓肿和肿瘤附近的染色度最强。7.牛淋巴细胞幼化反应系统含有植物血凝素(PHA)、孔卡那巴林(ConA)及PWM,同时分别添加精制α1-AG和被检牛血清,观察其抑制淋巴细胞幼化的程度。结果表明,牛精制α1-AG和牛白细胞在添加血清时的淋巴细胞幼化反应在各麦托素中显示出与α1-AG浓度成比例的抑制作用。8.在实验制成的肝脓肿牛中搜索血清α1-AG值的变动,以及在肝脓肿发病时升高的血清α1-AG对淋巴细胞幼化反应的抑制作用。从瘤胃静脉注入f.s necrophorum后,血清α1-AG值急剧上升,病情越严重的牛,其值越高,持续时间越长。在发病牛血清的α1-AG浓度高的期间,淋巴细胞幼化受到抑制,恢复到正常范围后抑制解除。另外,从肝脓肿牛中纯化的α1-AG是所有的迈托根(PHA,ConA,PWM)对刺激引起的淋巴细胞幼化有抑制作用,其抑制效果取决于α1-AG浓度。
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