Tapeworm (Moniezia benedeni) disease of cattle.

Abstract

1982年7月栄養不良で退牧した生後7カ月の子牛の糞便中にベネデン条虫の虫体が発見された。次いで、同年8月栄養不良で退牧した子牛3頭からもベネデン条虫卵が検出された。よってO放牧場65頭、T放牧場26頭の牛について糞便検査を行った。その結果、O放牧場では成牛42頭中1頭、子牛23頭中5頭にベネデン条虫卵が検出された。また、T放牧場では成牛18頭には虫卵は認められなかったが、子牛18頭中3頭にベネデン条虫卵が検出された。O放牧場の牛については血液検査を行ったが、異常値は認められなかった。駆虫にはプログラムを作成してビチオノール製剤を投薬した。その結果退牧時に虫卵検査を行ったが、すべて陰性であり、栄養状態も著しく改善された。ベネデン条虫症の集団発生例の報告は少ないが、放牧の子牛では重要な寄生虫病と考えられる。