{"title":"気温上昇が千葉県内におけるニホンナシ‘幸水’の休眠期と開花期に及ぼす影響","authors":"戸谷 智明, 川瀬 信三","doi":"10.2503/HRJ.10.531","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"千葉県内の3地点(千葉市,市川市および一宮町)におけるニホンナシ‘幸水’の休眠期と開花期について,気温上昇による影響を明らかにした.調査した3地点の気温は,1980~2009年において1年当たり0.041~0.068℃上昇していた.それに伴い千葉市と市川市の満開日は,それぞれ1年当たり0.32および0.36日前進していた.一宮町の満開日は,1991年まで有意な前進が認められたが,1992年以降は前進が止まっていた.市川市と一宮町の自発休眠覚醒日は,その覚醒に有効な低温遭遇時間が減少したため,1年当たり0.42~0.52日遅延していた.調査した3地点の他発休眠期は,2~4月の気温上昇によって1年当たり0.49~0.78日短縮していた.このように,気温上昇によってそれぞれの休眠期が影響を受けた結果,県内3地点の満開日に変動が生じていることが明らかになった.開花期の変動を予測するため,杉浦・本條(1997)の生育予測モデルの実用性を検討したところ,温暖な一宮町においては誤差が大きく適用できなかった.実用性が確認できた千葉市や市川市でも,気温が上昇した場合,精度が低下する可能性が示された.また,一宮町における自発休眠覚醒は,0.59℃以上の気温上昇が生じた場合,不完全になることが示唆された.","PeriodicalId":114914,"journal":{"name":"Horticultural Research (japan)","volume":"1 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2011-10-15","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"1","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Horticultural Research (japan)","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.2503/HRJ.10.531","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}