Effects of general anesthesia on blood gases and acid base balance in dogs

Abstract

臨床的に健康と思われる犬31匹を用い麻酔剤の種類により4群に分け, 麻酔剤が血液ガス及び酸塩基平衡に及ぼす影響についての成績を比較検討した結果は次の如くである。1.ペントバルビツール・ナトリウム25mg/kg静注例では軽度の呼吸性acidosisがみられたが, 麻酔剤注入後80分では完全に回復している。2.塩酸ケタミン単独筋注例では50mg/kg筋注例において呼吸性のacidosisの様相を呈したが, ペントバルビツールに比してその影響は僅少であった。3.クロルプロマジン前処置による塩酸ケタミン筋注例では血液ガス, 酸塩基平衡に及ぼす影響も少く, ケタミン単独使用例にみられる流涎, 筋の強直等の副作用等も明らかに減少した。4.チオペンタール・ナトリウムと塩酸ケタミン合併麻酔例ではほぼペントバルビッールナトリウムと同じ傾向がみられたが, その回復は早く, 臨床的にも充分応用できると思われる。