Geochemical Investigations of the. Ground Water at the Piedmont District of Mt. Chokai: とくに山形県遊佐町の地下水について

Takeo Kato, I. Shida
{"title":"Geochemical Investigations of the. Ground Water at the Piedmont District of Mt. Chokai: とくに山形県遊佐町の地下水について","authors":"Takeo Kato, I. Shida","doi":"10.5917/JAGH1959.18.84","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"Mt. Chokai rises on the borders of Yamagata and Akita Prefectures and the foot of the mountain reaches westward to the coast of Japan Sea. The coast as well as the margin of the south-western foot is lined with many springs. Yuza Town is built on the alluvial fan of the Gakko River, where several hundreds of artesian wells are drilled and the total discharge of them is estimated at six million tons per year. In this paper, twG types of springs mentioned above, i. e. contact spring and artesian spring, are mainly discussed from the geochemical pOifit of view. The springs of the former type are generally good in quality. The main constituents of dissolved substances are represented by sodium and chloride ions which originate primarily from atmospheric salt transported by sea wind. Regarding the quality of the artesian ground water, pH is in the range of 6.3 to 7.1 and the concentrations of dissolved ions are in the following order : HCO4-)C1-)SO42-, Na2)Ca22+)Mg< P 2+. Several types of phreatic ground water are found on the alluvial fan and its surrounding area. They are geochemically classified into five groups, but in general the main dissolved mineral is sodium chloride as in the case of the artesian ground water there. The quality of the artesian ground water is 1compared statistically with that of the water of contact spring. As a result, the concentrations of sodium, potassium and hloride ions of the latter exceed in average those of the former respectively. 壌.緒 言 鳥海山は,お もに最近活動 した東鳥海火山(宇 井.柴 橋,1975)や 鳥 ノ海(加 藤.米 地,1965)を 中心 とす る西鳥海火山体などか ら構成されている複成火山である(柴 橋,1973).そ め裾野は 日本海 , **Faculty of Education , Yamagata University (昭湘51年11月30日 受理) にまで延びている◎その峨 の陸水に関しては,こ れまで河川についてをよ鞘 川水系の研究(力 藤, 1962)が なされているが,地 下水については何等系統立 った調査 ・研究が行われていない.鳥 海山麓 には・多 くの火舳 鞍 樋 するように(た とえば・カ・藤・・966機 多の謙 カミ分布するし,ま た, その山麓に展開す る月光 川扇状地には,豊 富 な不圧 ・被圧地 下水が包蔵 され ている. わ れわれは,こ れ まで扇 状地地 下水につい ては ,最 上 川水 系の馬見 ガ崎川扇状地(山 形県,1958), 立 谷Jll・高瀬州 扇状地(経 企庁 ・山形県,1959),宮 川 ・須川 水系(経 企庁 ・山形県 ,1960),松 川 扇状地(仙 台通産局 ・1975)お よび泉 田川扇状地(仙 台通産局 ,1976)等 において詳細 な地球化学的 調査 を行 い・その一部につ いてば,す でに報 文(志 田,1960;加 藤 ,1960;加 藤 ら,1970)を 公けに した. そこで・このような経験を もとに,月 光川扇状地の地下水について,被 圧 ・不圧両地下水の鹸暮状 況を明らかにし・さらに水質の特徴を知 るために,1972~1973年 の期間に 現地 調査 を1実施した.ま た・山麓の湧泉についても,そ の分布状況や水質の特徴を知るために,1972年 おもに肉形県邊徒町を 中心にして・それらの調査を行った.本 報では,こ れ らを併せて報告することにしたい.た だし,本 報 で月光州扇状地の地下水と称するのは,こ れを中心にして周辺の地下水をも含めて取 り扱 うもので あることをことわってお く. 2.調 査地域の概要 と井戸の分布 このたびの調査地域は,ほ とんど山形県遊佐町に限 られる.た だ山麓の湧泉については ,秋 田県蒙 かな は が がわ 潟町小砂用以南の海岸を対象としたので,こ れには小砂州地区の二,三 の湧泉 も含まれる.遊 往町は 大部分庄内平野の最北部を占め,そ の西方は砂丘を隔てて日本海に臨み,北 部か ら北東部にかけて鳥 海山につながる◎なお,こ の地域の地形の概略を米地(1972)に 従 って図1に 示す. ムく ら まず・山麓の湧泉の分布状態(図3)を 見ると,1群 は吹浦から小砂川に至る海岸沿いに配列し, シしわたり もう1群 は吹浦か ら東方の山麓(牛 渡川 ・滝渕川流域)に 分布する.そ れぞれ猿穴火山体,西 鳥海火 山帯の熔岩 と基盤岩 との接触部から湧出するものである.こ の海岸は岩石海岸であって,湧 泉は陸上 に限 らず・海底にも分布 し,そ のため海岸沿いの海水の塩分量が低 くな り,そ こに生育する藻類 も内 かん 湾 性,低 鍼性 の種 を主 とす るとい う(金 森,1971).な お,金 森に よれ ば,塩 分量 は小砂川29.8%., きい かわら 吹浦25・9%eで,日 本海の飛島(饗 の磧)34.9%・,庄 内海岸の由良33.4%.に 比較して低 く,海 岸寄 りの 浅海底に淡水の湧出することが裏付け られる◎ 図1に 見 られるように,鳥 海山麓に当る高瀬川や月光川の中流部には,戸 谷 ら(1971)の いわゆる火 山山麓扇状地が見 られるが,わ れわれの対象とするのは,そ れ らよりも下流地域に展開する通常の 扇状地を指す.ま ず,月 光川は天狗森丘陵 と舞台東方丘陵 との問を過 ぎてその下流に出ると,月 光州 扇状地を展開す る◎ この他に,北 方の高瀬川流域に当山扇状地があるが,そ の面積はきわめて小さい. これ らの扇状地には被圧 ・不圧の地下水が包蔵される.こ こで,月 光翔扇状地 と広義に用いるときに は,こ れ ら両扇状地を統合して呼称することにする.1972年10月 把おける,'いわゆる月光川扇状地の 井戸分布の状況は図2の とお りで,こ れをこの町の学区に分けて表示すると表1の とお りになる.","PeriodicalId":422881,"journal":{"name":"THE JOURNAL OF THE JAPANESE ASSOCIATION OF GROUNDWATER HYDROLOGY","volume":"18 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"1900-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"THE JOURNAL OF THE JAPANESE ASSOCIATION OF GROUNDWATER HYDROLOGY","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.5917/JAGH1959.18.84","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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Abstract

Mt. Chokai rises on the borders of Yamagata and Akita Prefectures and the foot of the mountain reaches westward to the coast of Japan Sea. The coast as well as the margin of the south-western foot is lined with many springs. Yuza Town is built on the alluvial fan of the Gakko River, where several hundreds of artesian wells are drilled and the total discharge of them is estimated at six million tons per year. In this paper, twG types of springs mentioned above, i. e. contact spring and artesian spring, are mainly discussed from the geochemical pOifit of view. The springs of the former type are generally good in quality. The main constituents of dissolved substances are represented by sodium and chloride ions which originate primarily from atmospheric salt transported by sea wind. Regarding the quality of the artesian ground water, pH is in the range of 6.3 to 7.1 and the concentrations of dissolved ions are in the following order : HCO4-)C1-)SO42-, Na2)Ca22+)Mg< P 2+. Several types of phreatic ground water are found on the alluvial fan and its surrounding area. They are geochemically classified into five groups, but in general the main dissolved mineral is sodium chloride as in the case of the artesian ground water there. The quality of the artesian ground water is 1compared statistically with that of the water of contact spring. As a result, the concentrations of sodium, potassium and hloride ions of the latter exceed in average those of the former respectively. 壌.緒 言 鳥海山は,お もに最近活動 した東鳥海火山(宇 井.柴 橋,1975)や 鳥 ノ海(加 藤.米 地,1965)を 中心 とす る西鳥海火山体などか ら構成されている複成火山である(柴 橋,1973).そ め裾野は 日本海 , **Faculty of Education , Yamagata University (昭湘51年11月30日 受理) にまで延びている◎その峨 の陸水に関しては,こ れまで河川についてをよ鞘 川水系の研究(力 藤, 1962)が なされているが,地 下水については何等系統立 った調査 ・研究が行われていない.鳥 海山麓 には・多 くの火舳 鞍 樋 するように(た とえば・カ・藤・・966機 多の謙 カミ分布するし,ま た, その山麓に展開す る月光 川扇状地には,豊 富 な不圧 ・被圧地 下水が包蔵 され ている. わ れわれは,こ れ まで扇 状地地 下水につい ては ,最 上 川水 系の馬見 ガ崎川扇状地(山 形県,1958), 立 谷Jll・高瀬州 扇状地(経 企庁 ・山形県,1959),宮 川 ・須川 水系(経 企庁 ・山形県 ,1960),松 川 扇状地(仙 台通産局 ・1975)お よび泉 田川扇状地(仙 台通産局 ,1976)等 において詳細 な地球化学的 調査 を行 い・その一部につ いてば,す でに報 文(志 田,1960;加 藤 ,1960;加 藤 ら,1970)を 公けに した. そこで・このような経験を もとに,月 光川扇状地の地下水について,被 圧 ・不圧両地下水の鹸暮状 況を明らかにし・さらに水質の特徴を知 るために,1972~1973年 の期間に 現地 調査 を1実施した.ま た・山麓の湧泉についても,そ の分布状況や水質の特徴を知るために,1972年 おもに肉形県邊徒町を 中心にして・それらの調査を行った.本 報では,こ れ らを併せて報告することにしたい.た だし,本 報 で月光州扇状地の地下水と称するのは,こ れを中心にして周辺の地下水をも含めて取 り扱 うもので あることをことわってお く. 2.調 査地域の概要 と井戸の分布 このたびの調査地域は,ほ とんど山形県遊佐町に限 られる.た だ山麓の湧泉については ,秋 田県蒙 かな は が がわ 潟町小砂用以南の海岸を対象としたので,こ れには小砂州地区の二,三 の湧泉 も含まれる.遊 往町は 大部分庄内平野の最北部を占め,そ の西方は砂丘を隔てて日本海に臨み,北 部か ら北東部にかけて鳥 海山につながる◎なお,こ の地域の地形の概略を米地(1972)に 従 って図1に 示す. ムく ら まず・山麓の湧泉の分布状態(図3)を 見ると,1群 は吹浦から小砂川に至る海岸沿いに配列し, シしわたり もう1群 は吹浦か ら東方の山麓(牛 渡川 ・滝渕川流域)に 分布する.そ れぞれ猿穴火山体,西 鳥海火 山帯の熔岩 と基盤岩 との接触部から湧出するものである.こ の海岸は岩石海岸であって,湧 泉は陸上 に限 らず・海底にも分布 し,そ のため海岸沿いの海水の塩分量が低 くな り,そ こに生育する藻類 も内 かん 湾 性,低 鍼性 の種 を主 とす るとい う(金 森,1971).な お,金 森に よれ ば,塩 分量 は小砂川29.8%., きい かわら 吹浦25・9%eで,日 本海の飛島(饗 の磧)34.9%・,庄 内海岸の由良33.4%.に 比較して低 く,海 岸寄 りの 浅海底に淡水の湧出することが裏付け られる◎ 図1に 見 られるように,鳥 海山麓に当る高瀬川や月光川の中流部には,戸 谷 ら(1971)の いわゆる火 山山麓扇状地が見 られるが,わ れわれの対象とするのは,そ れ らよりも下流地域に展開する通常の 扇状地を指す.ま ず,月 光川は天狗森丘陵 と舞台東方丘陵 との問を過 ぎてその下流に出ると,月 光州 扇状地を展開す る◎ この他に,北 方の高瀬川流域に当山扇状地があるが,そ の面積はきわめて小さい. これ らの扇状地には被圧 ・不圧の地下水が包蔵される.こ こで,月 光翔扇状地 と広義に用いるときに は,こ れ ら両扇状地を統合して呼称することにする.1972年10月 把おける,'いわゆる月光川扇状地の 井戸分布の状況は図2の とお りで,こ れをこの町の学区に分けて表示すると表1の とお りになる.
Geochemical Investigations of the. Ground Water at the Piedmont District of Mt. Chokai:特别是山形县游佐町的地下水
朝海山位于山形县和秋田县的交界处,山脚向西延伸至日本海海岸。海岸和西南脚的边缘都有许多泉水。鱼扎镇建在加寇河的冲积扇上,在那里钻了几百口自流井,估计每年总排放量为600万吨。本文主要从地球化学角度讨论了上述两种类型的弹簧,即接触弹簧和自流弹簧。前一种类型的弹簧质量一般都很好。溶解物质的主要成分是钠离子和氯离子,它们主要来自海风输送的大气盐。自流地下水水质pH值为6.3 ~ 7.1,溶解离子浓度顺序为:HCO4-)C1-)SO42-, Na2)Ca22+)Mg< p2 +。在冲积扇及其周边地区发现了几种类型的潜水地下水。它们在地球化学上被分为五类,但一般来说,主要的溶解矿物是氯化钠,就像那里的自流地下水一样。对自流地下水的水质与接触泉水的水质进行了统计比较。结果,后者的钠离子、钾离子和氯离子浓度分别平均超过前者。壌.★★★★★★★★★★★★★,1975)。米地,1965)を中心とする西鳥海火山体などから構成されている複成火山である(柴橋,1973)。そめ裾野は日本海,* *学院教育、山形大学(昭湘51年11月30日受理)にまで延びている◎その峨の陸水に関しては,これまで河川についてをよ鞘川水系の研究(力藤,1962)がなされているが,地下水については何等系統立った調査・研究が行われていない。鳥海山麓には・多くの火舳鞍樋するように(たとえば・カ・藤・・966機多の謙カミ分布するし,また,その山麓に展開する月光川扇状地には,豊富な不圧・被圧地下水が包蔵されている。われわれは,これまで扇状地地下水については,最上川水系の馬見ガ崎川扇状地(山形県,1958年),立谷仲量联行・高瀬州扇状地(経企庁・山形県,1959),宮川・須川水系(経企庁・山形県,1960),松川扇状地(仙台通産局・1975)および泉田川扇状地(仙台通産局,1976)等において詳細な地球化学的調査を行い・その一部についてば,すでに報文(志田,1960;加藤,1960;加藤ら,1970)を公けにした。そこで・このような経験をもとに,月光川扇状地の地下水について,被圧・不圧両地下水の鹸暮状況を明らかにし・さらに水質の特徴を知るために,1972 ~ 1973年の期間に現地調査を1実施した。また・山麓の湧泉についても,その分布状況や水質の特徴を知るために,1972年おもに肉形県邊徒町を中心にして・それらの調査を行った。> > > > > > > > > > > > > > > > > > > >ただし,本報で月光州扇状地の地下水と称するのは,これを中心にして周辺の地下水をも含めて取り扱うものであることをことわっておく。2.。ただ山麓の湧泉については,秋田県蒙かなはががわ潟町小砂用以南の海岸を対象としたので,これには小砂州地区の二,三の湧泉も含まれる。遊往町は大部分庄内平野の最北部を占め,その西方は砂丘を隔てて日本海に臨み,北部から北東部にかけて鳥海山につながる◎なお,この地域の地形の概略を米地(1972)に従って図1に示す。ムくらまず・山麓の湧泉の分布状態(図3)を見ると,1群は吹浦から小砂川に至る海岸沿いに配列し,シしわたりもう1群は吹浦から東方の山麓(牛渡川・滝渕川流域)に分布する。。この海岸は岩石海岸であって,湧泉は陸上に限らず・海底にも分布し,そのため海岸沿いの海水の塩分量が低くなり,そこに生育する藻類も内かん湾性,低鍼性の種を主とするという(金森,1971)。29.8%。,きいかわら吹浦25 eで・9%,日本海の飛島(饗の磧)34.9%・,庄内海岸の由良33.4%。に比較して低く,海岸寄りの浅海底に淡水の湧出することが裏付けられる◎図1に見られるように,鳥海山麓に当る高瀬川や月光川の中流部には,戸谷ら(1971)のいわゆる火山山麓扇状地が見られるが,われわれの対象とするのは,それらよりも下流地域に展開する通常の扇状地を指す。まず,月光川は天狗森丘陵と舞台東方丘陵との問を過ぎてその下流に出ると,月光州扇状地を展開する◎この他に,北方の高瀬川流域に当山扇状地があるが,その面積はきわめて小さい。。ここで,月光翔扇状地と広義に用いるときには,これら両扇状地を統合して呼称することにする。1972年10月把おける,いわゆる月光川扇状地の井戸分布の状況は図2のとおりで,これをこの町の学区に分けて表示すると表1のとおりになる。
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