農用馬の放牧場で集団発生した腺疫菌(Streptococcus equi subspecies equi)による感染症

Abstract

1995年7-8月にかけて管内の1放牧場で多数の子馬と成馬に腺疫の集団発生(77.1%)が認められ、うち成馬1頭が死亡した。罹患馬は全身症状に加えて、特徴的な咽背、下顎リンパ節の腫脹を示した。治療後にはリンパ節の病変は縮小あるいは自潰して数週間後に治癒した。細菌検査の結果、分離した菌は生化学性状から腺免菌(S.equi subsp.equi)と同定された。本症発生前の受胎率は70%以上であったが、発生年度のそれは63%と低かった。県内では本病に類似した所見を示す馬の集団発生が散見されていることから、本病が広く蔓延している可能性が窺われる。