Biodiversity Learning Program for Elementary School Children Using the Chinese Windmill (Byasa alcinous)

Sachiko Kawamura, Hiroshi Sato
{"title":"Biodiversity Learning Program for Elementary School Children Using the Chinese Windmill (Byasa alcinous)","authors":"Sachiko Kawamura, Hiroshi Sato","doi":"10.5647/jsoee.28.3_70","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"生物多様性が加速度的に失われつつある現在、地球環 境や生態系を保全することの重要性を理解し、行動化に 向けて主体的に取り組む人材の育成が切望されている。 多様な主体が問題の重要性を理解し行動するうえで、生 物多様性と生態系に関する十分な科学的素養の醸成が欠 かせない。そのためには、自然史と生態系に関する学習 を初等教育、幼年教育から重視する必要がある(1)。す なわち、その課題解決のために学校教育の果たす役割は 大きく、学校現場において小・中学生が自然体験をする 機会を保障し、その重要性を実感できる場を意図的・計 画的に設け、一人一人の児童・生徒に生物とその生活環 境を保全する能力と態度を育成することが重要である (谷村2014)。 生物多様性の重要性を理解するうえで課題となるの が、その問題がわかりにくいとされることである。これ は全体像が大きく複雑で理解しにくいことによっている (須賀2013)。そのような問題を子どもたちにどのよう に伝えるべきか。生物多様性は地球上にいろいろな生物 がたくさんいることだけが大切なのではなく、その多様 な生き物がつながっていることが重要なのである(阿部 2012)。したがって、そのつながりの理解を促す学習プ ログラムの開発・展開が望まれる。 本研究はジャコウアゲハを用いて、生物間および人と のつながりを通して小学生に生物多様性保全の理解を促 すための環境学習プログラムを開発し、そのプログラム の有効性を明らかにすることを目的とする。本稿では、 開発したプログラムとその試行結果について報告し、そ の結果をもとに本プログラムにおける生物多様性学習と しての有用性について考察する。 ジャコウアゲハは東北地方から南西諸島にいたるまで 広く分布し(藤岡1981)、年2 ~ 4回(西南日本ではふつ う4回)産卵・羽化する(白水2006)。地理的変異が大 きいため、国内外来種の問題を考えることができるチョ ウである。多年性のつる性または木本植物であるウマノ スズクサ属のみを食草とし、害虫ではない。飼育が比較 的容易で、幼虫時の寄生も少なく羽化率が高い。飛翔が ゆっくりのため観察しやすく、雌雄の判別も容易である。 また、ジャコウアゲハの雄は「麝香」の独特の香りを 出し、蛹はその形態から「お菊虫」と呼ばれ、怪談「播 州皿屋敷」の主人公に名前が由来するなど、人との関係 も深い(相坂2009)。さらには、食草が同じ外来種のホ ソオチョウとの競合問題(今井2005)や、食草が生育 する河川敷や畦は定期的に草刈が行われることなど、 ジャコウアゲハは生物間や人とのつながりを考えるうえ で格好の学習素材である。","PeriodicalId":308853,"journal":{"name":"Japanese Journal of Environmental Education","volume":null,"pages":null},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"1900-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Japanese Journal of Environmental Education","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.5647/jsoee.28.3_70","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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Abstract

生物多様性が加速度的に失われつつある現在、地球環 境や生態系を保全することの重要性を理解し、行動化に 向けて主体的に取り組む人材の育成が切望されている。 多様な主体が問題の重要性を理解し行動するうえで、生 物多様性と生態系に関する十分な科学的素養の醸成が欠 かせない。そのためには、自然史と生態系に関する学習 を初等教育、幼年教育から重視する必要がある(1)。す なわち、その課題解決のために学校教育の果たす役割は 大きく、学校現場において小・中学生が自然体験をする 機会を保障し、その重要性を実感できる場を意図的・計 画的に設け、一人一人の児童・生徒に生物とその生活環 境を保全する能力と態度を育成することが重要である (谷村2014)。 生物多様性の重要性を理解するうえで課題となるの が、その問題がわかりにくいとされることである。これ は全体像が大きく複雑で理解しにくいことによっている (須賀2013)。そのような問題を子どもたちにどのよう に伝えるべきか。生物多様性は地球上にいろいろな生物 がたくさんいることだけが大切なのではなく、その多様 な生き物がつながっていることが重要なのである(阿部 2012)。したがって、そのつながりの理解を促す学習プ ログラムの開発・展開が望まれる。 本研究はジャコウアゲハを用いて、生物間および人と のつながりを通して小学生に生物多様性保全の理解を促 すための環境学習プログラムを開発し、そのプログラム の有効性を明らかにすることを目的とする。本稿では、 開発したプログラムとその試行結果について報告し、そ の結果をもとに本プログラムにおける生物多様性学習と しての有用性について考察する。 ジャコウアゲハは東北地方から南西諸島にいたるまで 広く分布し(藤岡1981)、年2 ~ 4回(西南日本ではふつ う4回)産卵・羽化する(白水2006)。地理的変異が大 きいため、国内外来種の問題を考えることができるチョ ウである。多年性のつる性または木本植物であるウマノ スズクサ属のみを食草とし、害虫ではない。飼育が比較 的容易で、幼虫時の寄生も少なく羽化率が高い。飛翔が ゆっくりのため観察しやすく、雌雄の判別も容易である。 また、ジャコウアゲハの雄は「麝香」の独特の香りを 出し、蛹はその形態から「お菊虫」と呼ばれ、怪談「播 州皿屋敷」の主人公に名前が由来するなど、人との関係 も深い(相坂2009)。さらには、食草が同じ外来種のホ ソオチョウとの競合問題(今井2005)や、食草が生育 する河川敷や畦は定期的に草刈が行われることなど、 ジャコウアゲハは生物間や人とのつながりを考えるうえ で格好の学習素材である。
小学生利用中国风车学习生物多样性项目(Byasa alcinous)
在生物多样性正在加速消失的今天,迫切需要培养能够理解保护地球环境和生态系统的重要性,并主动采取行动的人才。多样的主体要想理解问题的重要性并采取行动,就必须培养有关生物多样性和生态系统的充分的科学素养。为此,有必要从初等教育、幼年教育开始重视关于自然历史和生态系统的学习。沙土,为了解决这个问题,学校教育的作用很大,在学校现场保障中小学生体验自然的机会,有意识地、计划让他们切实感受到其重要性的场所。有规划地设置,培养每个学生对生物及其生活环境的保护能力和态度是很重要的(谷村2014)。理解生物多样性的重要性的课题是这个问题很难理解。这是由于整体情况过于复杂难以理解造成的(须贺2013)。应该如何向孩子们传达这样的问题呢?生物多样性不仅在于地球上有各种各样的生物,更重要的是各种各样的生物之间的联系(阿部2012)。因此,希望开发和开展能够促进理解其中关联的学习日志。本研究利用果蝇开发了一种环境学习课程,旨在通过生物之间和人类之间的联系来促进小学生对生物多样性保护的理解,并揭示该课程的有效性。本文报告了开发的程序及其试验结果,并基于该结果考察了本程序作为生物多样性学习的有效性。紫凤蝶从东北地区到西南诸岛广泛分布(藤冈1981),每年2 ~ 4次(西南日本一般4次)产卵、羽化(白水2006)。因为地理变异大,所以可以考虑国内外来种的问题。只以多年的藤本或木本植物马草属为食草,不是害虫。比较容易饲养,幼虫时的寄生也少,羽化率高。由于飞翔缓慢,容易观察,也容易辨别雌雄。另外,雄麝香雀会散发出独特的“麝香”香味,蛹因其形态而被称为“阿菊虫”,名字来源于怪谈《播州皿屋敷》的主人公,与人的关系也很密切(相坂2009)。再者,食草同为外来种的细凤蝶的竞争问题(今井2005),食草生长的河滩和田埂定期进行割草等,考虑到紫鹃在生物之间和人类之间的联系是很好的学习素材。
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