{"title":"Expanding Internet Sales of Kendo Equipment and the Response of Existing Retail Stores","authors":"T. Wada","doi":"10.20592/JAEG.62.2_102","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"要 旨 剣道用具の生産・流通は,伝統的職人による家内制手工業が中心の1950年代以前,汎用品需要の拡大に伴って工場制の 生産が拡大した1960-80年代,製造拠点の海外移転と製販統合の進展とともに,ネット通販が行われるようになった1990 年代以降に区分できる.剣道用具の通販サイトは,本店所在地が全国に分散しており,宅配便業者と提携して全国各地に 商品を配送する仕組みを構築している.出店経緯をみると,店舗販売を行っていた既存小売業者がネット通販を行うよう になったものと,ベンチャー企業によるものがある.これらのうちベンチャー企業 3社への聞き取りによれば,その特徴 として,低価格志向への対応,海外メーカーとの提携,シェア拡大と知名度向上,海外販売の積極展開が挙げられる. ネット通販の拡大は,剣道用具の低価格化を促進した.店舗販売を主とする小売店の多くは,これに追従して値下げ販 売を行うことで利益が減少するなど,経営が圧迫されている.またネット通販は,剣道用具の消耗品化を促進した.これ により消費者は,対面でのアドバイスを受けたり,試着や試用などをしたりすることなく,自宅にいながら気軽に剣道用 具を購入するようになっている.こうした中で,店舗販売を主とする既存小売業者は,ネット通販に参入する者がみられ る一方,地元顧客との関係強化・囲い込み,高級・ブランド志向を進めることにより,ネット通販との差別化を図る動き も確認できる.","PeriodicalId":209842,"journal":{"name":"Annals of the Association of Economic Geographers","volume":"23 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2016-06-30","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Annals of the Association of Economic Geographers","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.20592/JAEG.62.2_102","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}