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Abstract

第548 ア メ リカ トチ ノキ(新 稱),ア メ リカ ウ マ グ リ(新 稱),亞 米 利 加 閉之 木, 亞米利 加 馬 栗,亞 米 利 加橡 之木,(英 名)American horse chestnut(米 名)Ohio Buckeye,學 名Aesculus glabra Willd.ト チ ノキ科,七 葉 樹科, Hippocastanaceae 本種苗 の母樹 は亞米利加原産林試培養 のもの結實 した るを以て播種培養,種 名glabraと は平滑の義,獨 乙の植物學者Willdeuow氏 に依 りて命名せ らる。 本種 も亦子葉 を地下 に止 むる種類に屬 し種子は扁球形其他 は略ぼ 日本産 トチの實に似 た り。 長23mm幅27mmあ り,外 面帶紫褐色平滑光澤 あ り,但 し着殼部 は淡褐色或 は褐色 にして粗造面 をなす,此 の部 外は略ぼ橢 圓状 にして長17mm幅13mm許 の ものにて著 しく狭 きを以て トチと區別 し得 べ し。種子發芽の際は トチ と同 じく一側方 に於 て外皮を破 り萌出す,破 片は長15mm幅 10mm許 の ものに して 長橢 圓形,一 方は破 れす して離 れず,萠 出せ る子葉柄は長 く其色白 色な り。胚乳即ち子葉は接合線 あ りて二枚 に離 る性あ り,少 しく力を加ふれは容易に相離 る 接合面は平滑面 なるも凸凹不規則に入 り込 み居れ り,恰 も栗の夫の如 し。但 し栗 よりは不規 則な るを異 とす,子 葉長20~22mm幅6~6.5mm厚2~2.3mm柄 の上面 には廣 き溝あ り 平滑無毛な り。胚節明底 圓V字 形又はU字 形 をなす。軸 は極短か く殆 んど申譯的の ものに して僅かにに2~3mm過 ぎず白色 な り。根 との界線明な り。莖 は胚節以上の部分 にして地 中部は初め白色なるも後帶黄色 となる,途 に黄色 に變ず,地 上部は初 め淡 緑 色 微紫 色 を帶 ぶ平滑無毛な り。長橢 圓形の皮 目は散布 し色 を異に して明な り。莖は葉柄直 下 よ り凸條 を 流下 し爲めに横斷面は稜状 を呈す。新葉 は第一第二葉 は燐片状葉に して互生 し第三第四葉は 對生葉 をなす。第一葉 は胚節 を去る35~37mmの 邊に生 じ爾後20~33mmの 間隔を以て 生ず。而 して第一葉 は全 くの鱗片葉第二葉 は極小形の單葉大さ柄 と共 に15mm内 タト第三葉 より稍 々成樹の葉に近 き長柄の5~6小 葉 より成 る掌状複葉を生ず,第 四葉 と共 に對生同形 葉な の。各小葉 は倒披針形尖長鏡頭,漸 尖脚,不 整の鋭鋸齒縁,往 々缺刻状 を なす ものあ り,無 柄,表 面緑色,裏 面帶黄緑色,脈 は表面凹み裏面 に著 しく隆起明,裏 面の網状脈は色 を異にし明かに之 を認む。表面無毛,葉 縁に毛あ り,裏 面は上部に散生,裏 面 中肋兩側に散 生す(鏡),葉 柄は長 く上面 に溝 あ り,溝 淵圓 し,淡 緑色 にして平滑光澤 あり,柄 長85~95 mmを 算す。根 は太 く所謂抗根 又は命根 と稱す るものにして 太 く徑8mmに 達す。糧は初 め白色なる も漸次淡褐色 とな わ遂 に褐色に變ず,發 育 に連れて根皮縦裂牛旁の根の如 し。裂