サンゴ礁海域における海洋保護区 (MPA) の多様性と多面的機能

鹿熊 信一郎
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引用次数: 4

Abstract

フィジー、サモア、フィリピン、インドネシア、モーリシャス、および沖縄の5地区のサンゴ礁海域MPAを事例に、主に水産資源管理を目的としたMPAの多様性、それ以外の目的を有す多面的機能を整理するとともに、効果的なMPAの設定方法、適正なMPAの面積を決める方法を考察した。その結果、MPAが熱帯亜熱帯における強力な資源管理ツールであることを確認した。MPAの形態は多様で、完全禁漁か多目的利用か、政府主体か村落主体か、永久設定か期間限定か、対象魚種を限定するかどうかによって性格は大きく異なることがわかった。また、面積は様々であり、機能も生態系保全やエコツーリズムの場として利用することを主目的とするものもあった。生物多様性のためにはMPAは大きくあるべきだが、漁業者には大きいMPAは操業区域の縮小を意味する。また、エコツーリズムによる利用も、漁撈文化・食文化と対立する可能性がある。このバランスをとるには、MPA内の生物がMPA外へ拡散するスピルオーバー効果を定量的に調査すると同時に、地域住民の参加を得てMPAの位置・面積などを決定し、順応的にMPAを改善していくべきだろう。
珊瑚礁海域海洋保护区(MPA)的多样性和多方面功能
以斐济、萨摩亚、菲律宾、印度尼西亚、毛里求斯和冲绳5个珊瑚礁海域MPA为例,我们梳理了MPA的多样性和其他多方面功能,其中MPA主要用于水资源管理。考察了有效的MPA的设定方法,适当的MPA的面积的确定方法。结果表明,MPA是热带亚热带地区强有力的资源管理工具。MPA的形式多种多样,根据是完全禁渔还是多用途利用、是政府主体还是村落主体、是永久设定还是限定期间、是否限定对象鱼种,其性质有很大差异。另外,面积各不相同,功能也以生态系统保全和生态旅游为主要目的。为了生物多样性,MPA一定要大,但对渔民来说,大的MPA意味着作业区域的缩小。另外,利用生态旅游也有可能与捕鱼文化、饮食文化对立。为了保持这一平衡,在定量调查MPA内生物向MPA外扩散的溢出效应的同时,还应该让当地居民参与进来,确定MPA的位置、面积等,并顺应当地居民的需求,不断改善MPA。
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