Novel Catalysis by Gold: from Nanoparticles to Clusters

【金触媒による選択水素化の可能性】 金触媒は低温での酸素酸化には優れているが、Pd や Pt 触媒に比べ水素分子の解離が苦手なので、水素化反応で優れた選択性を示しても触媒活性が 低いため、実用化に至らないと言う課題を残している。 Au/TiO2 単結晶系表面科学モデル触媒 を作成して、H2-D2 交換反応を調べた結果、その反応速度は金ナノ粒子の接合界面周縁部の長 さに比例することが判明した(図 1)[4]。この周縁部長さは金の粒子径の 2 乗に逆比例する。 さら に、金クラスターの原子数の関数として dバンド幅、d3/2-d5/2スピン・軌道分裂幅、および dバンド センターを測定したところ、 これらの d バンドパラメーターは原子数 150 以下(金粒子の直径で 1.7 nm 以下)で急激な変化を示した[5]。このことは金クラスターになると水素化触媒特性が急変 する可能性を意味しており、水素化反応においても将来金が触媒として活躍できると期待される。