Axial length measurement of the Epiretinal Membrane eye

目的:黄斑前膜症例に対する眼軸長検査につき、非接触式光学式眼軸長測定装置であるIOLマスター™(以下IOLマスター)の有用性を検討した。対象と方法:対象は、2005年9月から2006年9月までに当院にて、IOLマスターと超音波Aモード法(以下Aモード)の両方による眼軸長測定を同日に施行した黄斑前膜症例のうち、術前の光干渉断層計(以下OCT)による網膜厚が測定できた15症例17眼であった。黄斑部に病変のない症例(31例40眼)を対照群とした。IOLマスターとAモードによる眼軸長測定結果の差を比較した。黄斑前膜除去手術を行った症例に対してIOLマスターによる眼軸長について手術前後で比較した。IOLマスターにおいてダブルピークが認められた症例の波形とOCTによる網膜厚を比較した。結果:黄斑前膜症例でのIOLマスターとAモードの眼軸長の差は対照群よりも有意に大きかった(p<0.01,t検定)。IOLマスターによる黄斑前膜除去手術前後の眼軸長は近似しており、ダブルピークが認められた症例においても後方のピークと術後の眼軸長が近似していた。ダブルピークが認められた症例において、前方のピークと後方のピークの差はOCTによる中心窩網膜厚と相関した(相関係数0.842)。結論:IOLマスターによる黄斑前膜症例の眼軸長測定は網膜色素上皮をとらえるためにより正確であり、特にダブルピークを認めた場合は後方のピークを選択することによって正確な眼軸長を測定できると考えられた。