AN APPLICABILITY STUDY ON NONLINEAR TIME HISTORY RESPONSE ANALYSIS METHOD CONSIDERING FREQUENCY DEPENDENCE OF GROUND IMPEDANCE IN LOW FREQUENCY RANGE

地盤-構造物系の動的相互作用問題において,地盤イ ンピーダンスが周波数依存性を有することは周知の事実 である.一方で,強震動下において,地盤や構造物が塑 性化して非線形性を有する問題も存在する.したがって, 地盤-構造物系の動的相互作用問題において,現象を精 緻に評価するためには周波数依存性および非線形性の双 方の現象を適切に考慮することが肝要となる. これらの現象を解析的に取り扱うにあたり,有限要素 法などの離散化解析手法では,地盤と構造物の挙動につ いて同時に数値解析を行うので,自動的に考慮すること ができる.しかし,これらの方法は,結果の物理的な解 釈が難しい場合があるため,実務設計者にとって身近な ものとなっていないのが実情である. 実務設計においては,地盤と基礎の動的相互作用をば ねで置換した質点系モデルなどが用いられることが多い. 質点系モデルを用いて地盤-構造物系の動的解析を行う 場合,インピーダンスの周波数依存性を直接的に地盤ば ねに与えることで,動的相互作用を周波数領域において 適切に考慮することができるが,そのままでは非線形時 刻歴応答解析を実施できない.したがって,質点系モデ ルにおいて,インピーダンスの周波数依存性および地盤 や構造物の非線形性を考慮するためには,周波数依存性 を有するインピーダンスを時間領域に変換し,それを用 いて非線形時刻歴応答解析を実施する必要がある. 周波数依存性を有するインピーダンスを時間領域で表 現し,非線形時刻歴応答解析を実施する手法に関して, 近年では様々な事例が報告されている. 例えば,インピーダンスの周波数依存性を時間領域で 簡易的に考慮する方法として,付加質量とダッシュポッ トを用いて表現する方法がある1).しかし,この方法で は周波数依存性を角周波数の比例関数ないしは二次関数 の形でしか表現できないため,適用性に制限がある. 土木学会論文集A1(構造・地震工学), Vol. 75, No. 4(地震工学論文集第38巻), I_123-I_132, 2019.