Proposal of High Thickness-Laminar Flow Grouting Method (HTLF Method)

Abstract

1.は じめに ダム基礎 グラウチ ングの効 率化 を目指 し,グ ラウ ト ミル クの流動 特性 に関す る基 礎的研 究 に基づ いて 開 発 したHTLP工 法(HighT hickness-Low pressure Grouting Method)は,初 期配 合 を高 濃度 化 し基本 的 に配合切 り替 えを行 わず,比 較的低 い圧力で注入す る ことを特徴 としてい る1-4)。表-1に,HTLP工 法の 基本仕様 を示す。 本工 法 につ いて は,実 ダムの基礎 処理 として初 め て,東 京電力(株)が 建設 中の上野 ダム の コンソ リデ ー シ ョ ング ラ ウチ ング に適 用 ,有 効性 を検 証 し た5)。その結果,低 濃度か ら順次高濃度 へ と配合 を切 り替 える従来工法 と比較 して,遜 色ないルジオ ン値の 改 良度 合 いを確保 しなが ら注入 時間短 縮効 果が得 ら れ,グ ラウチ ングの効率化,コ ス トダウンに有効で あ ることが確認 された。 また,同 ダムのカーテ ングラウ チ ングに,HTLP工 法 に準 じた高濃度 グ ラウ トミル ク注入(高 濃度工法)を 適用 し,同 様 の効果が確認 さ れた。 しか しなが ら同時 に,高 透水性岩盤 において は 従来工法 に対 して注入時間短縮効果が認 め られない問 題 も明 らか にな った。 その後,国 内で建設 中 のTダ ム,0ダ ムの基礎 処理 に もHTLP工 法 を適用 し,同 様 の現象が確認 された。 本論文 は,こ の問題 を解 決す べ く実施 した室 内注 入実験 について述 べ,そ の成果 を踏 まえHTLP工 法 を改 良 し高度化 した,高 濃度一層流注 入型 グラ ウチ ン グ工法(High Thickness-Laminar Flow Grouting Method:HTLF工 法)を 提案す るものである。