Note on the disintegration of the starch paste caused by the irradiation of ultrasonic waves

Abstract

糊の崩壞機構を詳にせんが爲に,前報と同一の方法(崩壞を糊粒子の比容積φ及顯微鏡構造の變化として觀察する)に依つて更に二三の崩壞特性を明かにした.(i) 崩壞效果(φ減少率)は外氣壓に依つて著しく影響を受け, 1氣壓邊が最大で,低壓でも又高壓でも減少し遂に零となる.(ii) 溶解氣體の影響は極僅かであつて,酸素は崩壊を大ならしめ,水素は反對に小ならしめる.(iii) 0.1～5%の濃度範圍に於て,低濃度程崩壊效果が大である.以上の特性(前報所載の特性も參考として)を考察して崩壊機構は次の如きものと考へられる.(I) Cavitation(或は氣泡の脈動效果)等の,氣泡を媒介とせる機械力,機構(1)が主なものである.尚同時に氣泡の斷熱壓縮に依る熱加水分解,機構(3)の起る事も否定出來ぬ.(II) 崩壞過程には極一部酸化に伴ふ解重合,機構(5)が起つてゐる.(III) 純粹な音波の機械力,機構(2)及Szalayの機構(4)の兩者は,少く共初期變化に對して全く無力である.