Preparing for a Heart Failure Pandemic: From Epidemiology to Prevention and Rehabilitation

Abstract

生活習慣の欧米化と高齢者の増加を基盤にした虚 血性心疾患や弁膜症患者の増加が心不全患者増加の 大きな原因となっている。さらに、エビデンスに基 づいた標準的薬物治療の普及と多くの非薬物治療の 確立が、急性心不全患者の救命と慢性心不全患者の 生命予後改善に寄与していることも心不全患者数増 加の一因と考えられる。心不全患者の増加は臨床上 の問題に加えて医療負担や医療経済も含んだ社会問 題として捉える必要があり、その疫学的知見を蓄積 して予防法を確立することは急務である。 2018年 3 月に日本循環器学会より発行された「急 性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)」 でも1)、心不全の疫学と予防に関してはかつてない ほどの紙面が割かれている。また、運動療法は心不 全の一次・二次予防の有用な手段であるが、2017年 に日本心臓リハビリテーション学会から、「心不全 の心臓リハビリテーション標準プログラム」が発行 されて2)、新たな局面を迎えようとしている。