Investigation on Effects of Environmental Factor Induced by Truck Transportation of Beef Calves

Abstract

肥育素牛のトラック輸送に伴う荷台内の環境変化と輸送中並びに輸送後における一般健康検査と疾病の発生状況について調査した。1987年4月から1989年3月までの2年間に導入された約10ヵ月令の黒毛和種素牛481頭のうち、呼吸器疾患の発症率は、県内よりも県外市場で購入した牛に高く、しかも、導入後10日以内に発病するものが多かった。1台のトラックに5頭の素牛を通常の配置の基で輸送し、荷台内の換気輪道および風速等について調査した。換気輪道は荷台内でほぼ一定の方向・場所を通過することが解った。荷台内の空気には、塵埃や粒子の小さい敷料に富み、かつ著しく輪廻しており、さらに、前方の排気部から放出された空気が後方から再び荷台内に流入することが確認された。よって、荷台の後方に位置したウシに異常を示したものがみられた。荷台内への入気量は充分だった。以上の知見から、牛の輸送中における荷台内の高塵埃・敷料含量を示す空気および自動車の振動などがストレッサーとなり、呼吸器などの疾病の原因となっているものと考えられる。