Introduction of laparoscopic surgery in women with gynecologic malignancies: experience of initial 20 cases

Abstract

後腹膜 リンパ節郭清 をその術式に含む婦人科悪 性腫瘍手術は、婦人科領域でもっとも高侵襲な手 術のひとつであ り、術中の大量出血や術後の疼痛、 膀胱 ・腸管機能障害など種々の合併症を比較的高 率に認める。術後の回復には時間を要 し、術後化 学療法 ・放射線治療開始の遅れや社会生活への復 帰困難が しば しば経験 される。婦人科悪性腫瘍に 対す る根 治的 な腹腔鏡下手術 はQuerleau1)、 Nezhat2)ら により1990年 代初頭 に初めて報告 さ れ、従来の開腹手術 と比較 して術中出血量ならび に合併症の低減、術後の早期回復と入院期間の短 縮など患者のQOLを 高められる可能性が示唆 さ れている3,4)。当科では2004年7月 より腹腔鏡下 婦人科悪性腫瘍手術を導入 し、現在までに20症例 を経験 した。本稿の目的は、腹腔鏡下婦人科悪性 腫瘍手術 を施行 した上記症例と当科で開腹悪性腫 瘍手術 を実施した20症例について、術中 ・術後経 過ならびに合併症の発生を検討 ・比較 し、当科で の腹腔鏡下婦人科悪性腫瘍手術導入の妥当性を検 証することである。