Studies on Anthocyanin Accumulation and Characteristics of Ripening and Food Processing of Some Horticultural Crops Including Blueberry

Abstract

ブドウおよびブルーベリー果実の着色は果実の成熟と ともに果皮にアントシアニンが蓄積されることにより起 こり,その制御にはブドウではアブシジン酸,ブルー ベリーではエチレンが非常に重要な役割を果たしてい る。これら果実の果皮におけるアントシアニンの蓄積は, 気温をはじめとする種々の栽培環境要因や,内・外生植 物ホルモンの影響を受け変化することが知られている。 果皮の着色程度は果実の商品価値を決定する非常に重要 な要素の一つであるが,近年,日本の西南暖地を中心に 黒色系ブドウの着色不良が多発しており,生産者からは その対応策が強く求められている。また,ブルーベリー 果実の成熟開始および収穫期は同一樹体,さらには果房 内において異なることが知られており,果実の収穫は果 皮の着色程度を果実毎に目視で確認し,適熟したものを 選択する必要がある。そのため,ブルーベリーの果皮の 着色を人為的に制御し,果実の成熟期を果房内で均質化 することは収穫作業の効率化に直結する。さらに,アン トシアニンを含有する果実の着色を促進することは,果 実自体の生体機能性を向上させるのみならず,種々のア ントシアニン製剤の原材料としての果実の消費を拡大す るものと考えられる。 そこで本研究では,ブドウおよびブルーベリー果実の 成熟に伴うアントシアニン生合成酵素遺伝子の発現を調 査し,外生植物ホルモンがこれら生合成酵素遺伝子の発 現とアントシアニンを始めとする果実品質に及ぼす影響 を調査した。 (1)外生植物ホルモンがブドウ果実のアントシアニン 生合成酵素遺伝子の発現に及ぼす影響 ブドウ果実の成長は二重S字型曲線を示すことが知ら ブルーベリーを中心とした園芸作物のアントシアニン 蓄積機構の解明および成熟・加工特性に関する研究 平成23年度日本食品保蔵科学会奨励賞